暮らし

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【エッセイ】薄れはしても消えはしない。そんなピースを鞄に詰め込み、私たちは日々を歩く。

(by 碧月はる) 別に君を求めてないけど 横にいられると思い出す君のドルチェ&ガッバーナの その香水のせいだよ 『香水』~瑛人 この曲を聴くたびに、あぁ、と思う。大抵の思い出の傍らには、何らかの香りが存在する。 香りが連れてくるものは、記憶だけではない。入り乱れる感情の波も、無意識に連れてくる。穏 […]

【連載/LIFE-】第8回:人生の半分を簡単に取り戻す方法

(by 葛西祝) 今回はとても簡単に人生の半分を取り戻す方法について教えましょう。前置きしますと、金銭や健康といったものを取り戻すものではないです。もしご期待したら申し訳ありません。 さて、人生の半分っていつだと思いますか? 40歳? 平均寿命を半分に割った結果ですね。じゃあ30代? そう単純じゃあ […]

【エッセイ】「似た者夫婦」でない私たちにとって大切な唯一のこと

(by みくりや佐代子) コロナ感染症拡大の影響で気軽な外出もはばかられるようになり、それならばと思い切って遠出をすることになった。車で一時間、街の外れまで家族でドライブ。川沿いの道を車は進んでいく。道幅が狭く対向車が近い。 「この道、ガードレールつけてほしいよね」 不満げなわたしの言葉に夫はフフと […]

【エッセイ】名前のない物語

(by 碧月はる) 先月、離婚をした。気持ちを新たに新天地での生活を送るべく、引っ越しを決めた。 引越しまでに必要なタスクを紙に書きだし、一つ一つクリアしては印を付ける。そんな日々を過ごしている。離婚に伴う手続きと並行して行わなければならないため、細々とした作業が尽きない。それでも苗字を変えない選択 […]

【お仕事エッセイ】字幕とコロナとファンレター

(by 岩辺いずみ/字幕翻訳者) コロナ禍で飲み歩けない日々が続く。つらい。 字幕翻訳の仕事はパソコンがあればどこでもできるし、吹き替え翻訳のように収録に立ち会うこともない。メールで受注し、担当者とネットで素材をやり取りし、メールで納品。作品によって打ち合わせやシミュレーション(スタジオなどで字幕を […]

【エッセイ】私の世界には音がない。

(by 蛙田アメコ) 「iPhoneで音楽流せるから、どうぞ」 友人の車の助手席に乗っているときに、そう言われてコードを手渡された。虚を突かれて黙り込んでしまった。私のiPhoneには音楽が入っていない。Kindleには何百冊もコミックや書籍が入っているけれど、Musicには1曲も音楽が入ってなかっ […]

【エッセイ】21歳、キャバクラの防音扉を開けて、今私はここにいる

(by 翳目) 21歳の頃、私はフリーターだった。 専門学校を二年次の序盤で中退し、昼間はコンビニ店員、夜は都内のキャバクラで稼ぎを得る「キャバ嬢」として働いていた。キャバクラで働いていた、と言うと多くの人が意外そうな顔をする(し、自分でもよく働いていたなと感心する)が、夕方までコンビニで働き、夜は […]

【映画エッセイ】私がLGBTQ映画を観る理由~自分にとっての「映画」とは何か〜

(by 安藤エヌ) いつも真面目な話をしていないというわけではないのだが、今回は少し真面目な話をしようと思う。私にとって映画とは何か、また、私が進んでLGBTQ(セクシャル・マイノリティ)の人物が登場する映画を観る理由は何か、ということを、腰を据えて話してみたい。 映画を観ることは「人や物事を自分の […]

【エッセイ】半径2メートルに塩をまくように生きる

(by みくりや佐代子) 肌寒い日の信号待ち。喫茶店の入り口に大きな盛り塩を見た。お茶碗一杯くらいの。驚きのあまりじっと見入ってしまっていたようで、ちょうど店先の掃き掃除をしていた奥さんと目が合った。 「これ、おはらい用ですか?魔除けとか、そういうの?」一度気になると知らない人にも話しかけてしまう、 […]

【映画エッセイ】『ラ・ラ・ランド』が是か非か論争に終止符を打ちたい~人はみなそれぞれの人生を生きている

(by 安藤エヌ)好きな映画は何?と聞かれた時、私は大抵ひとつに絞れないので、ジャンルごとに好きな映画を答えるように…

【エッセイ】シネマライズのあった渋谷

(by こばやしななこ) 渋谷のスペイン坂を上がったところに、シネマライズという映画館があった。 シネマライズ。その名を口にしただけで、お腹の奥がきゅっと切なくなる。私の憧れが詰まった場所。今はもう存在しない場所。 私の地元は鳥取県の港町だ。日本で1番人口が少ない県には当然、ミニシアターなどない。シ […]

【エッセイ】だれも知らない誕生日

(by 冬日さつき) 八月のおわり、多くの人が「もう夏もおわったな」とつぶやく。わたしはいつも心の中でそれに反論している。わたしの誕生日がおわるまでは、夏はおわらない決まりなのだと。勝手この上ないルールだけれど、これはずっと前からそうなのだ。 小学校のころから誕生日がなぜか偶然登校日になることが多か […]

【エッセイ】私は祈りを書いている

(by 蛙田アメコ) 小説を書いていて、時折「どうして書いているの」とか「何を書きたいの」と聞かれることがある。どう答えていいのかわからなくて、あいまいな返答をしてしまうことが多い。けれど、夏になると思い出すことができる。私は「祈り」を書いているのだと思う、たぶん。 死ぬには夏がいい。何故なら、夏の […]

【エッセイ】泥魚~なぜ苦しいのに「書き続ける」のか、その問いと叫び〜

(by 安藤エヌ) なぜ「書いている」んだろう。 そう、自問自答することがある。いつから「書く」ことを始めたかといえば、おそらく高校時代からで、「書く」ことが楽しいと知り、大学は専門的に学べる学科を目指し、入った。その時、私は人生最大(であろう)の病を患っていたので(心の病気だった)、決して満足に学 […]

【エッセイ】270円でサカナクションに生きる力を貰った話

(by みくりや佐代子) 仕事を早めに切り上げて午後にふらりとヒトカラへ行った。 とりあえずサカナクション「新宝島」を入れて、一度目はPVを視聴する。リリースからはもう1年経つ曲だが自分の中でブームが去る気配がない。目に飛び込んでくるオレンジと白のバイカラーは真新しく、狭い部屋にたったひとりで大画面 […]

【エッセイ】「お金に困る」の定義

(by こばやしななこ) 先日、母と電話をしていたら「私たちお金に困ったことってないよね」と言われた。 「そうだっけ?」と返さずにいられなかった。けっこう困ってきたと思うけど。 私が人生で一番裕福だったのは、4歳あたりだ。大企業に務める父と、主婦の母と暮らしていた。私は幼稚園に通いながらクラシックバ […]

【フリーに生きる】第2回:小説家・岸馬きらくの場合〜「生きている時間」を増やすということ〜

(by 岸馬きらく) 「やりたいことをやっている時間は生きている。やりたくないことをやっている時間は死んでいる。なるべく長く生きたいと思う」 これが作家・マンガ原作者そして創作サロン『岸馬きらく創作研究所』の運営をしている私、岸馬きらくの座右の銘です。この座右の銘について今から話をしようと思います。 […]

【フリーに生きる】第1回:ラノベ作家・蛙田アメコの場合〜宙ぶらりんな私たちへ〜

(by 蛙田アメコ) 2020年2月4日をもって会社への出勤をやめた。 なぜ『出勤をやめた』なんて煮え切らない書き方をするのかといえば、いわゆる『休職期間』をいただいている。会社員でもなく、フリーランスでもない宙ぶらりんの私は、眼前に広がる『フリーに生きる』という選択肢をぼんやり眺めている。私にとっ […]

【エッセイ】外出を自粛するならば好きなだけ眠れると思っていた

(by みくりや佐代子) 緊急事態宣言が解除され、人々は元の生活を取り戻すのではなく、新しい生活様式を模索するようにのろのろと歩き始めた。遅ればせながら私も丸3か月リモートワークだったその重い腰をようやく上げようとしている。 外出自粛が強く叫ばれていた時、生活でミクロに変化したのは会議のツールでも買 […]

【エッセイ】自分の平熱を知らなかった話

(by 蛙田アメコ) ――あなたは、自分の「平熱」を知っているだろうか。 3月末に体調を崩した。 私はそのころ2月初旬から(個人的事情で)はじまった自宅引きこもり活動のさなかで、世間はのちに発令される緊急事態宣言にむけて、フワフワしている時期だった。夥しい数の人間が例の感染症に罹患し、少なからぬ―― […]

【猫エッセイ】人生でいちばん美しかった桜 ~愛猫との別れで、遺影となった写真に思うこと〜

(by 安藤エヌ) 以前のエッセイ「私と猫と、愛のこと」で、私がとても猫を愛していることを書いた。 あれから半年ほどが経った。愛猫マイケルが、桜の咲く3月に享年20歳で亡くなった。家族も驚くほどの大往生、我が家で看取られながらの最期だった。 マイケルは腎不全で、数年前から体重が減り続け痩せていったの […]