シリーズ&連載– category –
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【関根という名のうさぎ】第5話「二人と一匹の部屋」
皆さん、こんにちは、こんばんは。関根です。関根という名のうさぎです。 寒い日が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか。なんて、知ったような口をきいてしまいま... -
【ぼくが映画に潜るとき】第9回:『ピース・オブ・ケイク』〜綾野剛がもっとも輝くのは、誰とでも寝る男を演じるときである〜
綾野剛に恋をして10年が経ってしまった。いつの日か六本木の小洒落たバーかなんかで綾野剛と運命的な出会いを果たし、寄り添って夜の街を歩く綾野剛とぼくがフライデー... -
【フォトエッセイ】3枚目:「ことば」に耳を傾けるため、私は喫茶店へ向かう ~人生の余韻を愉しむ手引き~
良い喫茶店には「ことば」が溢れている。店を訪れる人々が交わす他愛のない話、店主が淹れるドリップから滴る音、飾ってある花や調度品の声なき言葉。喫茶店に行く理由... -
【関根という名のうさぎ】第4話「うさんぽの思い出」
どうも、関根です。関根という名のうさぎです。 わたしが死んでから約二ヶ月が経過しました。死んだあとの数日は意気消沈し、ペットロスまっしぐらの様相を呈していた飼... -
【武道家シネマ塾】第14回:『ケイコ 目を澄ませて』~生きること。戦うこと~
(*本稿では一部、物語の結末部分に触れています)僕がやってきた空手や空道において、試合後は相手に挨拶をするのが慣例だった。勝っても負けても笑顔で挨拶をし、握... -
【ぼくが映画に潜るとき】第8回:『秘密の森の、その向こう』〜互いの哀しみを慰撫する「対等」な抱擁について〜
はんめを喪った哀しみを、ぼくはだれとも共有できずにいる。その実の娘である母とさえも。だからぼくはいまだに、はんめの死を現実のものとして認識できていない。もう1... -
【武道家シネマ塾】第13回:『麻雀放浪記』~命を懸けて、笑ってみたい~
僕が48年間生きてきて、わかったことがある。物事に命を懸けられる人間には、勝てないということだ。 僕がまだ格闘技の選手だった頃、お付き合いしていた女性が格闘技に... -
【ノベルゲーム講座】第5回:新作『Silence of Switchblade』の原点を訪ねて 〜『さよならを教えて』における狂気とは 〜
(※本稿には『さよならを教えて』のネタバレが含まれます。未プレイの方はご注意ください) もし自分がゲームを作り始めた理由となったノベルゲームをひとつあげるとす... -
【関根という名のうさぎ】第3話「秒針は回る」
こんにちは、関根です。関根という名のうさぎです。さらに言うと、関根という名の死んだうさぎです。 あんまり死んだ死んだ言うのもどうかと思い、あたかも死んでいない... -
【フォトエッセイ】2枚目:祖母の姿、晴れた空、色づく葉、すべてを遺したいと思った日~写真という愛おしい記憶〜
新品の、まだ1枚も撮っていないインスタントカメラ。今日はこれがないと始まらない。絶対に持って行って、遺さなければならない光景がある。 その日、私は東京・錦糸町... -
【武道家シネマ塾】第12回:『線は、僕を描く』~横浜流星の狂気~
横浜流星には、不思議なくらいマッチョイズムの匂いがしない。極真空手という、“マッチョイズムの結晶”のような格闘技をしていたにもかかわらずだ。僕も90年代に極真空... -
【ノベルゲーム講座】第4回:ノベルゲームの演出を、刑事ドラマ『ケイゾク』から考えてみる
ノベルゲームを制作しているとさまざまな困難に遭遇する。なかでも多いのは、テキストをちゃんと書いた、スチルも良いのができあがった、音楽もピッタリなものを用意し... -
【関根という名のうさぎ】第2話「月に帰らないうさぎ」
こんにちは、関根です。関根という名のうさぎです。 今しがたインターホンが鳴って、大きなダンボールが届きました。その中には、先日飼い主その①がいつものようにネッ... -
【ゲーマーの恩返し】第1回:“今と昔のゲーム好きをつなぐノベルゲーム”を作る理由
「レトロゲームとは、どのくらい前に出たものからのゲームをさすのか?」 という話題は、する時期で基準がズレていくものだし、時代の線引きでなぜか悶着がおきやすいの... -
【関根という名のうさぎ】第1話「うさぎの口は堅い」
わたしは今、牧草を食べています。牧草はいつもプラスチックケースの中にたっぷりこんもり盛られていて、時間無制限の食べ放題です。ケースのふちに前足をのせて、牧草... -
【名画再訪】劇薬『マッドマックス 怒りのデス・ロード』のヤバさを説明したい
夏だ!!ブチ上がりたい!!!ムダに血湧き肉躍るこの季節、持て余した熱をどう発散させようか。フェス?ビアガーデン?海?どれも全然ブチ上がらない。滾っているのは... -
【ぼくが映画に潜るとき】第7回:『ボヘミアン・ラプソディ』〜フレディ、ぼくの永遠のヒーロー〜
フレディ、もし初潮が来る前にあなたに出会えていなかったら、ぼくは果たして今日まで生き延びることができただろうか。 月9の主題歌『I Was Born To Love』を高らかに... -
【武道家シネマ塾】第11回:『GONIN』~宝物は、いつの間にかなくなっている~
親譲りの無鉄砲で、子供の頃から損ばかりして──いや、両親は堅実で真面目な人たちだ。 無鉄砲で損ばかりしてきたのは僕だけである。 なんの影響なのか、「男は侮辱され... -
【名画再訪】それでも私は『インスタント沼』が好きだと言い続けよう
その昔、街コンに参加したときのこと。 参加者に配られたプロフィールシートの中に「好きな映画」という項目があったので、私は正直に『インスタント沼』と書いた。いや... -
【名画再訪】『プロミシング・ヤング・ウーマン』〜性暴力がある世界に生きている〜
(※この記事には性暴力に関する記述が含まれます。) 最近、立て続けに周囲で起きた性被害の話を聞いた。テレビやネットで次々と性被害の告発がある中、告発できない被... -
【武道家シネマ塾】第10回:父が観て、僕が観た『椿三十郎』
僕の父は武道・格闘技と映画が好きで、僕が武道家兼映画ライターになったのは、そんな父に育てられたからだ。 中学生になった僕は、サッカー部に入った。サッカーには1... -
【フォトエッセイ】1枚目:写真で切り取る、日々是好日~1輪の花と老婦人との出会い〜
アザミのとげに触れるみたいに、胸がちくちくと痛いときがある。今がそれだ。ひとつの物事に対して受け取る感情が人一倍多い私は、日々の変化に直面するたびしばしば心... -
【ぼくが映画に潜るとき】第6回:『ヴィオレッタ』〜母の「愛してる」からの逃亡〜
(by チカゼ)ものすごく幼いころ、ぼくはけっこう可愛い顔をしていた。目尻のきゅっと上がったぱっちりとした二重に、ふさふさの長いまつ毛。薄いくちびる、白い肌。く... -
【武道家シネマ塾】第9回:『あゝ、荒野』~ユースケ・サンタマリアに憧れて~
(by ハシマトシヒロ) 10代の頃の僕にとって、寺山修司という名前は、自分自身を「文学青年」に見せるための便利なアイテムだった。 女の子と待ち合わせる時は、壁にも... -
【武道家シネマ塾】第8回:『ロッキー3』~時代おくれの友情~
(by ハシマトシヒロ) 2022年3月。アカデミー賞授賞式において、ウィル・スミスは、司会者を平手で張り飛ばした。 同じく2022年3月。NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』に... -
【連載/LIFE-】第10回:「が」のお話
(by 葛西祝) 「が」について、ささやかなお話をしよう。まず、自己紹介のテキストを書くとする。 「ぼくは中学3年生ですが、来年4月から高校生になります」 このテキ... -
【武道家シネマ塾】第7回:あなたが映画を勉強したいなら、『ロッキー2』だけ観ればいい
(by ハシマトシヒロ) 「ハシマさんがいちばん好きな映画はなんですか?」自称映画通の同僚に尋ねられた。「年間200本観てる」と豪語しているヤツだ。なんか「通っぽい... -
【ぼくが映画に潜るとき】第5回:『パッチギ!』〜イムジン河を渡り切る意味について〜
(by チカゼ) ぼくは「祖国」がわからない。昨年、帰化申請をして日本国籍を取得したぼくは、「日本人」になった。それまでぼくは韓国籍で、書類上では「在日韓国人4... -
【ノベルゲーム講座③】第3回:私がピクセルでイラストを描くわけ〜特に懐古趣味ってことはなく〜
(by 隷蔵庫)私はノベルゲームを作り始めた当初から、ほとんどのゲームのイラストを「PC-98ライク」な二値絵で描いてきた。これは、自分がレトロゲームに親しんでいた... -
【碧い海に浮かぶ月⑦】「大丈夫じゃない」を言えるようになったから
(by 碧月はる)梅の芳醇な香りに誘われて見上げた空は、白と青の絵の具を混ぜ合わせたような、薄い水色だった。ねじれた枝の先端でほころぶ蕾たちが、その淡い空色に小...