音楽

【映画レビュー】『ビリー・アイリッシュ:世界は少しぼやけている』単なる成功譚ではなく、10代の痛みと喜びに満ちたドキュメンタリー映画

(by こばやしななこ) 時代のアイコンになったビリー・アイリッシュ 洋楽をあまり聞かない人でも、ビリー・アイリッシュの名は知っているのではないだろうか。2019年に発売されたデビュー・アルバムは18カ国で1位になり、翌年のグラミー賞を取りまくった。2001年生まれの少女は、世界に注目され時代のアイ […]

【映画レビュー】“今”を特別にしてくれる傑作『イン・ザ・ハイツ』 ~ミュージカル映画って、いいなぁ〜

(by 安藤エヌ) 8月某日、私は非常にくさくさしていた。 仕事の悩みが堂々巡りになりつつあったのと、コロナ禍で友達と会う機会も少なくなってストレスを発散することができなくなってしまっていたのが重なり、精神衛生は最悪だった。私の場合、こうなると大好きなエンタメにもなかなか手を伸ばせなくなるので厄介だ […]

【エッセイ】私の世界には音がない。

(by 蛙田アメコ) 「iPhoneで音楽流せるから、どうぞ」 友人の車の助手席に乗っているときに、そう言われてコードを手渡された。虚を突かれて黙り込んでしまった。私のiPhoneには音楽が入っていない。Kindleには何百冊もコミックや書籍が入っているけれど、Musicには1曲も音楽が入ってなかっ […]

【この一曲】星野源の音楽が星野源のものでありますように〜星野源“うちで踊ろう”

(by 満島エリオ) 2020年大晦日。初の無観客開催となった「第71回NHK紅白歌合戦」で、何組かのアーティストのパフォーマンスが高い注目を集めた。星野源の“うちで踊ろう(大晦日)”もその一つだ。 画面の中に現れた星野源は、いつものあの笑顔で「ニッポン!」と手を振り、歌った。それを見て私は、息が詰 […]

【この一曲】未来から過去へ、花を抱えて会いに行く――米津玄師“パプリカ”

(by 満島エリオ) “パプリカ”。2018年の夏にリリースされるなり話題となり、子どもたちにも大ウケ、社会現象化したこの曲を私が初めて聴いたのは、割と遅い方だったのではないかと思う。あまりにも大流行りしたものに対して、天邪鬼の私は「別に無理に聴かなくてもいいですし?」と敬遠してしまう悪癖がある。 […]

【この一曲】天才になれなかったすべての私たちの余生に捧ぐ--ヨルシカ“八月、某、月明かり”

(by 満島エリオ) 25歳になったら死のうと思っていた。そればかり考えながら生きていた時期がある。 * ものごころついた時から、将来の夢は「小説家になる」だった。自分だけの物語を空想しては、それを一生懸命ノートに書き記した。多くの子どもが一度は通る道だ。 中学生の時、綿矢りさが最年少で芥川賞を受賞 […]

【この一曲】サンボマスター“そのぬくもりに用がある”に新たな愛を知る

(by みくりや佐代子) 「涙流れて愛が生まれる」とは一体なんだろう。初めてその曲を聴いた時は、メロディラインに心躍るものの歌詞がピンと来なかった。だって「愛を失って涙が流れる」のが一般的のはず。涙が流れるのはたいてい、何かに負けた時や何かをなくした時、何かの壁にぶつかった時なのに。 ひどく揉めて別 […]

【この一曲】フジファブリック“赤黄色の金木犀” 〜終わってしまった残りの月〜

(by 満島エリオ) フジファブリックの“赤黄色の金木犀”を聴くたびに思い出す人がいる。 1歳年上の、バイト先の先輩。いい人だったけれど、いかにもきゃぴきゃぴしている感じが、地味な私には少し苦手だった。大学を卒業した後彼女は地元に帰り、もう会うことはないだろうと思っていた。 それから1年ほど経った頃 […]

【この一曲】the pillowsの“ハイブリッドレインボウ”と一緒に、いつか選ばれる明日を待つ

(by 満島エリオ) BUMP OF CHICKENが“ハイブリッドレインボウ”という曲を歌っていると知った時、「あれ?」と思った。バンプっ子の私は彼らの出したCDを全て網羅していたはずなのに、その曲を知らなかったからだ。一体なんだこれは、と調べて、それが『シンクロナイズド・ロッカーズ』というトリビ […]

【この一曲】東京事変“私生活” 〜私を前へと歩かせ続ける遠くのあなたへ〜

(by 満島エリオ) ≪酸素と海とガソリンと/沢山の気遣いを浪費している≫このフレーズを耳にしただけで、わかる人はきっと胸をつかれる思いがするだろう。 東京事変、“私生活”。私もまた、この曲を何度聴き、何度背中を押されてきただろうか。 ≪酸素と海とガソリンと/沢山の気遣いを浪費して≫≪行ったり来たり […]

【この一曲】死すら歌の力に変えてしまうフレディの凄みに総毛立つ、Queen“The Show Must Go On”

(by とら猫) 一番好きなクイーンの曲を選べ、という問いは自分にとって、一番好きなビートルズの曲を選べ、という問いと同じくらい即答するのが難しい。 フレディに敬意を表するのであれば、「狂気と天才は紙一重」の凄みを体現するソングライティング能力に度肝を抜かれる“March of the Black […]

【音楽エッセイ】過去から繋がる今のQueen、歌い上げる二人のカリスマ〜Queen+Adam Lambertライブレポ~

(by 安藤エヌ) 2020年1月26日、私はさいたまスーパーアリーナにいた。 Queen+Adam Lambertのライブを目前にして、私の鼓動は興奮と期待で激しく脈打っていた。 映画『ボヘミアン・ラプソディ』を観て、Queenの音楽を好きになってからずっと、彼らの響かせる生音をこの耳で聴いてみた […]

【この一曲】“地獄でなぜ悪い”が垣間見せた、星野源というエンターテイナーの魂

(by 満島エリオ) 今やすっかり国民的アーティストとなった星野源。 作詞作曲歌唱はもとより、ダンスも踊れる、演技もできる、ギターをはじめ多数の楽器を演奏できて、しゃべりも達者な上に文筆業までこなす。マルチというか、ここまでくるともはや無敵だ。 日本の音楽のトップを牽引する一人となり、もはやこの国で […]

【エッセイ】アイドルにガチ恋して成仏できなくなった女の話~“平手友梨奈”に出会ってしまった~

(by 安藤エヌ) 2度目の恋の相手は、18歳の女の子だった。 欅坂46のセンター、平手友梨奈だ。 彼女は私がまだ社会の何たるかも知らなかった年齢でアイドルデビューし、社会的なテーマを歌ったシングル曲のセンターとしてこれまでに何度も世間に露出してきた。私が最初に彼女を見たのは、マニッシュなスーツに黒 […]

【この一曲】イントロだけで世界を制したU2“Where the Streets Have No Name”

(by とら猫) “Where the Streets Have No Name”のイントロを聴くと、今すぐ駆け出したくなる。これはもうボタンを見ると押したくなる、釣鐘を見ると撞きたくなる、反町の駅を通り過ぎるとポイズンと呟きたくなるのと同じくらい、人間心理の奥深くに組み込まれている衝動であって、た […]

【この一曲】BUMP OF CHICKENの“ベル”が掬いあげる、日常の中の絶望と救い

(by 満島エリオ) 小学生のある年の夏休み、私はそのバンドと出会った。 母がツタヤで借りてきた『jupiter』という名前のそのアルバムを、当時現役だったカセットテープに落として、文字通り擦り切れるほど繰り返し聴いた。歌詞も曲順も全部覚えた。私の音楽は彼らから始まっていて、そこから色々なアーティス […]

【音楽エッセイ】だからシオンには野音がよく似合う

(by とら猫) 野音は都会の一部でありながらその埒外にあるような、ふしぎな雰囲気をもつライヴ会場だ。冷たい高層ビル群に抱かれながらも温かみがあって、いつの時代も流行におもねることなく、凛とした態度でそこに在りつづけてきた。 そんな野音で毎年ライヴを行っているシオンもまた、流行におもねることなく、今 […]

【映画エッセイ】もういちど、ライブエイドの観客になってみる~私はフレディ・マーキュリーの“生”に応えたい~

(by 安藤エヌ) 突然だが、私は10代という多感な時期に心を病み、人生のドン底を味わったことがある。あの時のことは忘れようにも忘れられず、毎日「死んでしまいたい」と思っていた。どんな映画も音楽も小説も、空虚な身体を通り抜けていくだけ。感情を動かすことはほとんどなかった。さながらリビング・デッド(生 […]

【エッセイ】愉快犯~清水ミチコが教えてくれたとっても大切なこと~

(by こばやしななこ) 3年前、清水ミチコさんのコンサートがWOWOWで放送されているのを見た。 「これだ。私は清水ミチコになりたいんだ!」直感的にそう思った。 会社を辞め数ヶ月。労働でクタクタになった身体が少し元気になって、やっと無職の不安に苛まれるようになってきた頃だった。これからどうやって生 […]

【映画レビュー】『ボヘミアン・ラプソディ』~時代を越えた“伝説”のミュージシャン~

(by 長夏実) フレディ・マーキュリーが亡くなった1991年に私は生まれた。 物心ついたときから『クイーン』は伝説のバンドであり、CMやドラマでも彼らの曲は当たり前のように使われていた。クイーンの絶世期をリアルタイムで経験できないことが非常に残念だ。フレディ・マーキュリーがシャウトしている姿を、テ […]

【映画レビュー】フレディを追いかけた旅の果て『ボヘミアン・ラプソディ』

(by とら猫) 思えば、ずっとフレディを追いかけてきた。 最初に聴いたクイーンのアルバムは確か『イニュエンドウ』で、当時はヘヴィメタルしか聴いていなかった私に、やっぱりヘヴィメタルしか聴かない友だちが、主にヘヴィメタルのことしか載っていない『BURRN!』という雑誌と一緒にCDを貸してくれたのでは […]