【ドラマレビュー】『グッド・オーメンズ』の天使にゴキゲンのコツを教わった件について

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(by 蛙田アメコ

世界が〜〜〜〜〜〜っ!!!!!
良き兆しにっ、包まれている〜〜〜〜っ!!!!!!!

……取り乱してしまった。
でも許してほしい。なんていっても、世界的なブームのただなかにいるのだから。

今回は、大ブームを引き起こしている『グッド・オーメンズ』に人生の楽しみ方を教えてもらった件についての報告だ。背筋を伸ばしていただくお食事、超うまい!!!!!

◇『グッド・オーメンズ』ってどんな作品?◇
Amazonプライム・ビデオにて全世界同時配信のこのドラマが、ゴキゲンに生きるコツを教えてくれた。とにもかくにも面白いから、ぜひ観て欲しいのである。

『グッド・オーメンズ』( 原題:Good Omens)は、ニール・ゲイマンとテリー・プラチェットの共著小説。ドラマ化はアマゾンスタジオが行なった。今回のドラマ化においては、原作のニール・ゲイマンが脚本をつとめたことも話題を呼んでいる。

来るべき世界の終わり=ハルマゲドンに向けて地上で活動する天使のアジラフェールと悪魔のクロウリーが、彼らのお気に入りの地上の生活を守るために陣営を超えて禁断のタッグを組むというストーリーだ。

絶対に外れない極めて正確な予言書を遺した魔女の末裔と、その魔女アグネス・ナッターを殺した魔女狩り軍の末裔。出生時の取り違えで片田舎で平凡に暮らすことになったサタンの息子・アダムと愉快な地元の仲間たち……その設定だけで余裕で一本の作品が仕上がる肉厚なキャラクターたちの物語が絡み合うドラマ性は、ワクワクすること間違いなし。

で。そのなかでも、とにかく熱いのは、ドラマ化された際に描写が増された、天使アジラフェールと悪魔クロウリーの地上生活の様子である。

人知を超えた不死の存在であるふたりが、6000年という長きにわたって人間社会をいかにして暮らしてきたかが、原作からドラマ版になる際に大幅に割増されているのである。大サービスだ。

◇リッツで食事を楽しむ天使◇
地上で暮らす天使アジラフェールは、食べるのが好きだ。
あちこちで祝福を与えたり人助けをしたり、善きことを成すついでに(もしかしたら、そっちがついでかも?)、恐怖政治時代のフランスにクレープを食べに出かけたり、ローマ帝国に牡蠣料理を食べに出かけたりする。お洒落な寿司レストランを楽しむし、セント・ジェイムズ・パークでアイスバーを舐めたりもする。そしてたまには、ダンスを楽しんだりも。

マイケル・シーンの姿をした天使様は、しゃんと背筋を伸ばして、お気に入りの古風なファッションに身を包み、目の前の美味しいものを慈しむように召し上がるのだ。

◇背筋を伸ばして人生を味わうこと◇
人生を楽しむことは難しい、と少なくとも私は思う。

悲観的になったり、世の中くだらないと斜に構えたり、そういうことをしている間に人生の楽しみ方がド下手クソなまま歳を重ねてしまった。いまでも、頻繁にクサクサした気持ちでいるし、「何もかもがどうでもいい」と冷笑的な気分になることばっかりだ。食事だって、仕事の連絡が絶えないスマホをいじりながら胃に流し込むばかりの日々。

そんなときに出会った天使は、人生を楽しむ達人だった。アジラフェールみたいに、しゃんと背筋を伸ばして、いつだって素敵な未来にワクワクしつつ目の前のお食事を慈しみながら味わってみれば、クサクサした気分がずいぶんと楽になったのだ。そう、まるで羽が生えたみたいに。
だって、考えてもみて欲しい。6000年を生きる天使と悪魔が、飽きずに地上を楽しんでいるのだ。100年しか生きられない人間が斜に構えている時間なんて、本当はこれっぽっちもないはずじゃあないか。

◇みんなたち、『グッド・オーメンズ』を観てくれ!!◇
ささくれ立った日々をもしもあなたが送っているのだとしたら、どうか『グッド・オーメンズ』を鑑賞してほしい。もう観た人は、もう一度彼らに会いに行ってほしい。たぶん私もそうするから。

そうして、明日は背筋を伸ばしてランチを楽しもう。きっとこの素晴らしき世界というリンゴを味わうことは、たとえ誰かに叱られてもやる価値のあることなのだから。

++++
(c) Amazon Studios
テレビドラマ『グッド・オーメンズ』公式サイト

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この記事を書いた人

蛙田アメコのアバター 蛙田アメコ ライトノベル作家

小説書きです。蛙が好き。落語も好き。食べることや映画も好き。最新ラノベ『突然パパになった最強ドラゴンの子育て日記〜かわいい娘、ほのぼのと人間界最強に育つ~』3巻まで発売中。既刊作のコミカライズ海外版も多数あり。アプリ『千銃士:Rhodoknight』メインシナリオ担当。個人リンク:  小説家になろう/Twitter/pixivFANBOX