日常– category –
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【関根という名のうさぎ】第5話「二人と一匹の部屋」
皆さん、こんにちは、こんばんは。関根です。関根という名のうさぎです。 寒い日が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか。なんて、知ったような口をきいてしまいま... -
【フォトエッセイ】3枚目:「ことば」に耳を傾けるため、私は喫茶店へ向かう ~人生の余韻を愉しむ手引き~
良い喫茶店には「ことば」が溢れている。店を訪れる人々が交わす他愛のない話、店主が淹れるドリップから滴る音、飾ってある花や調度品の声なき言葉。喫茶店に行く理由... -
【恋愛エッセイ】愛するってどういうこと? 〜今こそ愛について考えたくなった〜
唐突だが、私はまだ人を愛したことがない。男の人をちゃんと好きになったことが、多分まだない。恋をしたことはもちろんある。最後に恋をしたのはいつだったかな、中学3... -
【関根という名のうさぎ】第3話「秒針は回る」
こんにちは、関根です。関根という名のうさぎです。さらに言うと、関根という名の死んだうさぎです。 あんまり死んだ死んだ言うのもどうかと思い、あたかも死んでいない... -
【フォトエッセイ】2枚目:祖母の姿、晴れた空、色づく葉、すべてを遺したいと思った日~写真という愛おしい記憶〜
新品の、まだ1枚も撮っていないインスタントカメラ。今日はこれがないと始まらない。絶対に持って行って、遺さなければならない光景がある。 その日、私は東京・錦糸町... -
【エッセイ】私と世界のキリトリ線
会社員を辞めた2016年には絵空事に近かった「ものを書いて暮らしていきたい」という希望は、今のところ達成されつつある。 生活費を稼ぎながらスキマ時間で配信コンテン... -
【関根という名のうさぎ】第2話「月に帰らないうさぎ」
こんにちは、関根です。関根という名のうさぎです。 今しがたインターホンが鳴って、大きなダンボールが届きました。その中には、先日飼い主その①がいつものようにネッ... -
【エッセイ】職業選択の自由、あははん
僕の初めての就職は、わずか半年で終わった。職場はいい人ばかりで歓迎会まで開いてもらったが、本来の自分の属性(体育会系の文科系)とは真逆の仕事(理数系)による... -
【エッセイ】「何かに夢中になる人」の成功を喜べない
三杯目のアイスカフェラテを注文するのを躊躇した。目の前には、やけにハツラツと注文をとる学生アルバイトが立っている。おあずけを食らっても次の餌が貰えると信じて... -
【フォトエッセイ】1枚目:写真で切り取る、日々是好日~1輪の花と老婦人との出会い〜
アザミのとげに触れるみたいに、胸がちくちくと痛いときがある。今がそれだ。ひとつの物事に対して受け取る感情が人一倍多い私は、日々の変化に直面するたびしばしば心... -
【エッセイ】6万字の愛~小説『愛をくれ』を書いて、今、私が思うこと
(by 安藤エヌ)2017年に、6万字の小説を書いて文芸賞に応募した。仕事の合間を縫い半年間におよぶスケジュールを立て、自身の半生と向き合い、痛みと喜びを書きなぐっ... -
【エッセイ】思い出せない猫のこと
<あの子を想う時、写真でなく絵で思い出されるようになったのは、私のこの軟弱な記憶力のせいだ。>硬くなった出窓の引き戸に力を込める。開いた窓の隙間から細い風が... -
【連載/LIFE-】第10回:「が」のお話
(by 葛西祝) 「が」について、ささやかなお話をしよう。まず、自己紹介のテキストを書くとする。 「ぼくは中学3年生ですが、来年4月から高校生になります」 このテキ... -
【エッセイ】センチメンタル・シンガポール・パンツ
シンガポールの街並みに並ぶ屋台を覗き込み、あれでもないこれでもないとフラフラ歩いたあの夜を思い出す。あの夜、夕飯はどこにしようかと選んでいた私たちは、選んで... -
【エッセイ】プロポーズされた君へ、おめでとう。これから先も、隣で書かせて
(by チカゼ)かぼすが結婚する。その知らせを聞いていちばん最初に湧き上がったのは、「とうとうかぼすが彼氏に盗られてしまった」という身勝手な思いだった。「おめで... -
【エッセイ】トイレットペーパーとお尻の尊厳
(by こばやしななこ) 乙女のカリスマこと作家の嶽本野ばら先生が「キティちゃんのトイレットペーパーしか使わない」とエッセイに書いてらした。 思春期から彼の作品に... -
【碧い海に浮かぶ月⑦】「大丈夫じゃない」を言えるようになったから
(by 碧月はる)梅の芳醇な香りに誘われて見上げた空は、白と青の絵の具を混ぜ合わせたような、薄い水色だった。ねじれた枝の先端でほころぶ蕾たちが、その淡い空色に小... -
【碧い海に浮かぶ月⑥】365分の5日
(by 碧月はる)大事すぎる思い出ほど、誰にも見せずに自分のなかだけに留めておきたいと思う。生まれたての赤ん坊を抱きかかえるように、そっと静かに、ゆらゆらと揺れ... -
【碧い海に浮かぶ月⑤】愛おしい旅路の欠片と、共通言語を持たない家族
(by 碧月はる) 家族が増えた。小指の先ほどの、小さな小さな家族。全部で4匹、いや、4人。“匹”という単位は、昔から字面がすきじゃない。先日、離れて暮らす息子たち... -
【エッセイ】スネが折れただけやん。
(by ハシマトシヒロ) 人間のスネの骨は、意外と簡単に折れる。よくあるパターンは、フルスイングしたローキックが相手の硬い部分(膝だったり、スネ同士だったり)に... -
【エッセイ】家族という呪いと、クリスマスの夜~家族愛を描いた映画に感動できなくていい~
(by 安藤エヌ)クリスマスが近づくにつれ、街は華やぎ、色づいていく。ディスプレイに飾られたサンタクロースの人形を見て思い出されるのは、幼い頃の記憶だ。 小学生... -
【シリーズエッセイ/碧い海に浮かぶ月④】途方もなくきれいで幸福な日々の足音
(by 碧月はる) ──疲れた。そう思った瞬間、表面張力のようにぎりぎりまで小さく保とうとしていたものが、一気にあふれた。幼子のように途方もなく泣き続け、寝間着に... -
【おなかの中のくらげ④】朝は二度来る
「くらげ」と呼んでいたおなかの中の赤ちゃんが、第三子として誕生して約2か月。黄疸の検査で通院は続いていたものの空腹や眠気を訴える泣き声は力強さがあって、生命力... -
【碧い海に浮かぶ月③】「しあわせのスープ」が染み込んだ夜、かっこわるい大人は、ゆるやかに立ち上がった
(by 碧月はる) 晩秋の夕暮れどき、ふと思い立ち、てくてくと散歩をした。民家の柿の実が鈴なりになっている。枝先には、もうほとんど葉が残っていない。その光景を目... -
【おなかの中のくらげ③】今はまだ黄色の子
くらげが産まれ落ちた。それは順を追って丁寧に私に知らされた。眼鏡もコンタクトも外し、身体に麻酔が回っていた私には、ぼんやりと滲む世界の中でただ天井を見てハイ... -
【エッセイ】バイクに乗るってことは人生に“責任”とるってことなのかもしれない
(by 蛙田アメコ)オートバイのいいところは、一人乗りだってところだ。サイドカーやタンデムシートをつけなければ、オートバイはひとりしかその背中に乗せてはくれない... -
【ぼくが映画に潜るとき】第1回:『君の名前で僕を呼んで』〜どうしようもなく魅力的な「大人」について〜
(by チカゼ)舞台は80年代の北イタリア、夏。17歳のエリオは両親と滞在している別荘で、美術史の大学教授である父に招かれた24歳の大学院生・オリヴァーと出会う。繊細... -
【エッセイ】妄想ライフのススメ
(by こばやしななこ) 生きるって大変。エコバッグ持ってても買い物に忘れず持っていけたことはないし、ぼーっとしてるとレジ袋も貰い忘れて袋だけ買いにレジに並び直... -
【碧い海に浮かぶ月②】大人である私たちは、置き忘れたことにさえ気づかないままで
(by 碧月はる) 『ちいさなちいさな王様』という物語がある。ドイツの作家、アクセル・ハッケのベストセラー小説だ。ミヒャエル・ゾーヴァの挿絵が美しい本書は、一見... -
【おなかの中のくらげ②】あつかましい“生”のこと
生活の中に「キリトリ線」がある。それをプチ、プチと少しずつ千切っていくような2週間だった。産休前の引き継ぎを通して「わたししかできない仕事」は「他人にもできる...
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