名作

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【武道家シネマ塾⑦】あなたが映画を勉強したいなら、『ロッキー2』だけ観ればいい

(by ハシマトシヒロ) 「ハシマさんがいちばん好きな映画はなんですか?」 自称映画通の同僚に尋ねられた。「年間200本観てる」と豪語しているヤツだ。なんか「通っぽい」タイトルを出さないとバカにされるかと思い、とっさに出たのが「『存在の耐えられない軽さ』かなぁ……」だった。 ウソです。いちばん好きな […]

【武道家シネマ塾⑥】『ロッキー』~すべてのダメ人間に捧ぐ~

(by ハシマトシヒロ) 「格闘技しか取り柄がないのに二流の選手」昔、そんな陰口を叩かれたことがある。 うん、その通り。よく知ってるじゃないか。腹を立てても仕方がない。事実だから。悔しかったら強くなれって、じーちゃんが言ってた。 ロッキーもおんなじだ。 「ボクシングしか取り柄がないのに二流の選手」い […]

【映画エッセイ】『パワー・オブ・ザ・ドッグ』〜男らしさの犠牲者〜

(by こばやしななこ) なぜ、彼はああなってしまったのだろう。なぜ周りから愛されないふるまいばかりするのだろう。ドスドスと床を踏み鳴らす祖父の気配を感じながら、息をひそめいつも考えていた。なぜ?と。 両親が離婚してから数年、母と祖父と一緒に暮らした。何年一緒に暮らしても家族だとは思えなかった。一緒 […]

【武道家シネマ塾⑤】『キッズ・リターン』~始まるんだよ、何度でも~

(by ハシマトシヒロ) 「俺たち、もう終わっちゃったのかな」「バカヤロー、まだ始まっちゃいねーよ」 あまりにも有名なエンディング。挫折し、傷つき、敗れ去った2人は、本当にもう終わってしまったのか。あるいは、まだ始まってすらおらず、これから始まるのか。これからどちらに転ぶのかは、観た人の想像にゆだね […]

【映画エッセイ】『猿楽町で会いましょう』〜若さの本当の価値と取り戻したいもの〜

(by みくりや佐代子) 「若さ」を恥ずかしいと思うたちだった。なぜか。この国は、若いこと、幼いことに価値があるとされているからだ。とりわけ女性は。 若い女性の肌や髪が画一的な「美しさ」とされ、販売促進に当然に使われることを気味が悪いと思った。まるで年を重ねるのは悪そのもののようであった。 以前、男 […]

【映画レビュー】『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』がよすぎた件〜予習範囲にご注意!〜

(by 蛙田アメコ)(注:本稿には段階的なネタバレが含まれます!) あーーー、よかった。めっちゃよかった、本当によかった。 『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』めっちゃよかった!! この記事は多大なるネタバレを含んでおります。ただし!!今作はマーベル映画としては、少々特殊事情であります。そのため […]

【推しの一作】『キャロル』と洗練された退屈な街

(by 隷蔵庫)(注:本稿では一部、物語の核心に触れています) 2015年の冬、映画『キャロル』が公開された。ポスターに印刷されたケイト・ブランシェットとルーニー・マーラと、美しいキャッチコピーが目を引く。 映画はとてもよくできている。原作の空気感やメッセージを十分伝えきれていると思う。フィルムのよ […]

【武道家シネマ塾③】『燃えよ剣』~そもそも美しさとは作れるものなのか~

(by ハシマトシヒロ) 『燃えよ剣』を観た。 原作、司馬遼太郎。監督、原田眞人。主演、岡田准一。 司馬遼太郎。言わずと知れた、歴史小説の大家である。『竜馬が行く』、『国盗り物語』、『関ヶ原』、『功名が辻』など、そのおもしろ過ぎる歴史小説の中でも、この『燃えよ剣』は国宝級のおもしろさである。全・日本 […]

【乙女ゲームレビュー】『灰鷹のサイケデリカ』〜魔女に向けられた篝火が照らす数奇な運命〜

(by すなくじら) 女性向け恋愛シミュレーションゲーム、通称「乙女ゲーム」におけるの最大の魅力は、わたしたちプレイヤーが“神の視点”から登場人物の生き様を追いかけることができる点にあると考えている。 現実世界においてわたしたちは、自分の物語を紡ぐことを宿命としてこの世に生を受ける。自分は誰の生まれ […]

【名画再訪】『スタンド・バイ・ミー』~生と死のコントラストに、眩く光る友情〜

(by 安藤エヌ) 先日、スティーブン・キング原作の映画『スタンド・バイ・ミー』を観た。  映画好きならば必ず観ないといけない作品と思いながら、なかなか機会がなく、観れずにいた。名作を見届けたあとにある、偉大な感動へのほんのわずかな畏(おそ)れがあったのかもしれない。しかし先日、ちょうど金 […]

【映画レビュー】『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』~マシーンから「プロの普通」へ~

(by ハシマトシヒロ) ある日、このサイト『BadCats Weekly』の編集長であるとら猫さんよりメールが届いた。 「ハシマさん、映画評も書きたいって言ってましたよね?『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』で一本書きませんか?」 「一般的には昆虫学者としての面が有名な彼だが、実は彼は詩人でもあり、ま […]

【乙女ゲームレビュー】『黒蝶のサイケデリカ』〜冥界の扉の前でわたしたちが望む幻とは〜

(by すなくじら) ──もう一度、会いたい。──もう一度会えるなら。 “旅人が尋ねます。どうして君は泣いていたのか、と”“蝶は答えました。大切な片割れがいなくなって悲しいのだ、と”“それならば、サイケデリカへおゆきなさい”“この道のずっと先に、サイケデリカと呼ばれる楽園があって。死んでしまったもの […]

【名画再訪】映画と脚本はバディのような関係だ~映画『グリーンブック』を観て

(by 安藤エヌ) 久しぶりに面白い映画を観た。面白い、の定義は人それぞれ違うと思うが、私の場合、面白いと感じる映画には共通点がある。映画のシナリオを担う筋がしっかりしていてユーモアに富み、ストーリーが整っており、かつ感動の起伏を上手くコントロールする脚本の上で描かれている作品を、特に面白い映画と感 […]

【名画再訪】『かもめ食堂』~「食べる」というこの世で最も人に優しい行為について~

(by みくりや佐代子) カレーライスを食べる人には共通項がある。それは誰もが「大きな口を開けること」。 あたたかいカレーライスが目の前に現れると、どんなに可憐な女性でもちまちま食べはしない。大きなスプーンに掬う一口分は、だいたい他の料理の1.5口分ほどの量で、それを大きな口を開けて美味しそうに食べ […]

【ホラーの嗜み】怖がりラノベ作家、ホラー映画に挑む『ローズマリーの赤ちゃん』

(by 蛙田アメコ) 私のなかの『悪夢』が具現化したのかと思ってびっくりした。 引っ越し、結婚、妊娠、出産……おめでたくもクソほどストレスの溜まるイベントだ。私は悲観的な性格なうえに身の回りの変化にも弱いので、将来妊娠や出産をする予定がない。「ほら、だって×××とか起きるかもしれないし」と起きてもい […]

【ノベルゲームの夕べ】ファミコン探偵倶楽部 PARTII うしろに立つ少女(SFC)

(by シェループ) 文字を読み進めるゲームの何が面白いんだ? 『ファミコン探偵倶楽部 PARTII うしろに立つ少女』を遊ぶ前までの私は、アドベンチャーゲームに対して懐疑的だった。 名前を知ったのは『スーパーメトロイド』の攻略本。最後の方のページに開発スタッフのインタビューが載っており、一部参加者 […]

【名画再訪】『グッド・フェローズ』あなたの予想は開始120秒で裏返される!〜なあ、俺たちズッ友だよな?〜

(by 隷蔵庫) 1. 表紙がおっさんなので観る気が起きない映画 「グッド・フェローズ」という超有名ギャング映画がある。渋い顔のおっさんが3人、パッケージに浮かんでいるあの映画だ。 今でこそ「マジで面白いから見て!」と推せるものの正直最初は全く観る気になれなかった。Netflixのサイケなサムネの中 […]

【推しの一作】『太陽がいっぱい』〜みんなから見下され、道化師のふりをしなければ、相手にされない人間』の逆襲〜

(by 隷蔵庫) 1. はじめに 「誰かになりたいと願うことは、自分自身を浪費することだ」というカート・コバーンの言葉がある。これ以上ニルヴァーナには詳しくないが、それを突き詰めた小説は知っている。 『太陽がいっぱい』というサスペンス小説だ。 おそらく、映画の方が有名だろう。レンタルビデオ店に行けば […]

【カルトの世界】世界で最も純粋無垢なぼかしが舞い踊る『人魚伝説』

(by とら猫) 体当たりの演技、とはよく言われるけれど、その定義を知りたい方はググったり辞書を引いたりするより、1984年公開の『人魚伝説』を観るのがてっとりばやい。 大河ドラマでデビューを飾った可憐な女優、白都真理は本作において、「体当たりの演技」という表現がぴったりどころか生易しく思えるほど、 […]

【名画再訪】完全燃焼!〜映画『プロメア』を、遅ればせながら観て燃え尽きた人間の感想レビュー〜

(by 安藤エヌ) 2019年5月に上映された『プロメア』を、2020年の4月に見た。これは罪深いことである。映画館に観に行くのがこれほどまでに似合う映画を、ほぼ1年後にテレビで観てしまった私の罪は重い。映画好きにとっての失態である。 私は天邪鬼で、その時に流行っているものはほとぼりが冷めるまで少し […]

【映画レビュー】『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』〜誰しもみな自分の物語を生きていい〜

(by こばやしななこ) ずっとずっと公開を待ち望んでいた映画が、ついに公開された。 『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』は、言わずと知れた少女文学の名作小説『若草物語』を『レディ・バード』のグレタ・ガーウィグ監督が映画化したものである。 小説『若草物語』は、戦争で父がいない1年を母と […]

【名画再訪】『コードネームU.N.C.L.E』〜続編祈願!こんなに面白いスパイ映画ある?〜

(by 安藤エヌ) 『コードネームU.N.C.L.E』という映画がある。未見の方はえ?コードネーム?スパイ映画?アンクルっておじさん?と訝る人もいるかもしれない。何を隠そうこの映画、タイトルが面白いのはもちろん、中身も超絶ド級に面白いのだ。 監督はガイ・リッチー、主演はヘンリー・カヴィルとアーミー・ […]