【ホラーの嗜み】怖がりラノベ作家、ホラー映画に挑む『ローズマリーの赤ちゃん』

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(by 蛙田アメコ

私のなかの『悪夢』が具現化したのかと思ってびっくりした。

引っ越し、結婚、妊娠、出産……おめでたくもクソほどストレスの溜まるイベントだ。私は悲観的な性格なうえに身の回りの変化にも弱いので、将来妊娠や出産をする予定がない。「ほら、だって×××とか起きるかもしれないし」と起きてもいない嫌なことを想像してしまうのだ。そんな私がホラー映画の古典、『ローズマリーの赤ちゃん』を(編集長にそそのかされて)鑑賞したわけだが……前述の「×××」に入ると予想される、ありとあらゆる事態が起きまくりやがるのだ。

『ローズマリーの赤ちゃん』(原題:Rosemary’s Baby、1968年)。

アイラ・レヴィンの小説を原作としたロマン・ポランスキー監督作品だ。
前情報なしに観て、「あ~~~~、ポランスキーっぽい!!! 『ナインス・ゲート』(※)っぽい!!」
(※:ジョニー・デップ主演作については基本的にすべて視聴しているため『ナインス・ゲート』は鑑賞済みである。あれはホラーでもあるけど、オシャレ怪異映画って感じだったからギリ大丈夫でした。ジョニー・デップのオールバックメガネが超超超超超超かっこよセクスィーなのでみんなたちは観よう。終盤で披露される世界一滑らかで直線的なワイヤーアクションで笑うのだ。)

さて、『ローズマリーの赤ちゃん』。ローズマリーというのはステーキに使う香草ではなくて、新婚さんのお嫁さんの名前だ。本作は、いわゆる「サイコホラー」というカテゴリらしい。心理的な怖さをメインにしたブツである。

それもあるのか、
・グロいシーンぶしゃあ!
・怖い見た目のクリーチャージャジャーン!
・叫び声! 叫び声! そして叫び声!
のような、私の苦手なホラー成分はない。よかった。ナイス。

静かに、しかし確実に「新居に引っ越した幸せな新婚女子ですが、どうかんがえても隣人の様子がおかしいし追い詰められていきます」みたいな状況が加速していく。
いや、え、なにこれ。

最悪!! 最悪居住環境!!

絶対に引っ越し初日に起きてほしくない事件、絶対に隣家に住んでいてほしくないタイプの老夫婦、ホームパーティ後に強盗に入られたみたいに荒れる部屋!!! 最悪すぎる!!
こ、これがサイコホラー……絶対に起きてほしくない心的ストレス高めのあれこれが的確かつ迅速かつリズミカルにお出しされてくる……回転寿司か何かか???
え、やだやだなにこれ気持ち悪い……心理的不快感の波状攻撃……。

グランドキャニオンのごとき皺を眉間に刻みながら実況をした様子がこちら。

※※※ネタバレをふくみます※※※

いやぁは~~~~、まーーじで嫌な出来事オンパレードでした。

さて、前回鑑賞した『ヘレディタリー/継承』も『ローズマリーの赤ちゃん』も悪魔崇拝を恐怖の軸に据えたエンディングを迎えていたわけです。これは私個人が非常に日本人的な信仰をもって生活しているため、キリスト教圏における悪魔崇拝の不気味さや怖さというは全然よくわからないので、ピンときていない。

そのあたりに詳しい友人に聞いてみたところ、「泊まった宿で額縁外したら謎の紋様が出てきたし、外からは謎の童歌が聞こえ続けているし聞いたこともない土着神についての言い伝えを宿の人間がめちゃくちゃ話してくるし、明日は十二年に一度の村の奇祭……みたいなのと同じ怖さだよ」と教えてもらいました。

いや、それは怖いわ!!

今回の気づきとしては、サイコホラーは血とか物理的な呪いとかがない分わりかし怖くないということでした。思えばジャパニーズホラーの類いは、怖がりながらもある程度観られるので「血!」「暴力!」「死!」みたいなのを含むホラーがとりわけ苦手なのであります。

この企画が続いたら、いつか克服できるのだろうか……「血!」「暴力!」「死!」……。

++++
(c) CBS and related marks are trademarks of CBS Broadcasting Inc.
『ローズマリーの赤ちゃん』映画.comページ

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この記事を書いた人

蛙田アメコのアバター 蛙田アメコ ライトノベル作家

小説書きです。蛙が好き。落語も好き。食べることや映画も好き。最新ラノベ『突然パパになった最強ドラゴンの子育て日記〜かわいい娘、ほのぼのと人間界最強に育つ~』3巻まで発売中。既刊作のコミカライズ海外版も多数あり。アプリ『千銃士:Rhodoknight』メインシナリオ担当。個人リンク:  小説家になろう/Twitter/pixivFANBOX