2018年2月2日、東京都中野区にアジア初のゲーミングスペース「Red Bull Gaming Sphere Tokyo」がオープンした。ここでは毎週月曜日に「Monday Night Streaks」と称した賞金制イベントが実施され、優勝者には9万9999円が即日支払いで贈呈される。

そんな「Monday Night Streaks」で、『ロックマン11 運命の歯車!!』のタイムアタック大会が2018年12月17日の午後19時から午後22時に開催。どんな戦いが繰り広げられるのか、気になった筆者は現地に足を運んだ。

ロックマンで大会と聞いて思い起こすのがロックマンエグゼシリーズ。同作には各々のプレイヤーが構築した「フォルダ(デッキ)」を駆使して、相手と一対一の戦闘に興じる通信対戦機能があり、それを用いた大会が開催された。

開催当初は地区が限定されたが、シリーズ三作目『バトルネットワーク ロックマンエグゼ3』以降は地方大会が実施されるほどに大規模化。また、大会の解説役として登壇した「江口名人」は、シリーズの看板的存在としてファンから認知され、ゲーム本編にも登場するほどの人気を集めた。

エグゼシリーズ完結後に誕生した『流星のロックマン』の時代にも大会は毎年開催されたが、2010年の『ロックマンエグゼ オペレートシューティングスター』の大会を最後に停止。以降、2011年を境に生じたシリーズ全体の氷河期突入もあり、過去の出来事となってしまった。

その時から数えれば、今回の大会は約8年ぶりの公式大会である。会場にはカプコンの開発スタッフ、ロックマンシリーズのコミュニティ管理人も登壇し、トークや大会の生解説を務めた。

ちなみに『ロックマン11』には、先述の「江口名人」こと江口正和氏も開発スタッフとして参加している(※企画、脚本を担当)。今回のイベントでも、エグゼシリーズの大会以来になるかもしれない解説を担当された。

先述の通り、題目はタイムアタック。ゲーム内のやり込み要素「チャレンジ」の一つで、今回登場する8体ボスの一人「ツンドラマン」のステージをいかに早くクリアできるかを競う。優勝者には賞金も贈呈。ただし、金額はロックマンにちなんで、9万6000円と設定された。

ツンドラマンのステージはツルツル滑る氷の床、吹雪といった仕掛けが特徴。そのため、ロックマンの動きを安定させながら止まることなく進み、クリアできるかが求められる。

大会は19時から1時間に渡って予選が実施。A~Dブロックに分けられた参加者が二回挑戦し、その中のベストタイムを記録として出す形式となった。

最終的にA~Dブロックでベストタイムを出した参加者が準決勝に進出。準決勝は20時よりライブ中継され、関連してロックマン11開発スタッフ、MC陣によるぶっちゃけトークも展開された。

準決勝開始前のトークでは、没ネタや過去の無茶ぶりエピソード、先人から受け継いだそれぞれのロックマン観などが語られた。没ネタで印象的だったのはボスの一体「ミストウーマン」。その名の通りに女性型のボスを出す予定があったという。しかし、弱点の武器が想像しにくかったことから、没になってしまったらしい。

▲女性型ボスは過去『ロックマン9』で登場(スプラッシュウーマン)。派生作だと結構出ていたり。

他に印象的な話が無茶ぶりエピソード。一部、ブラックなネタがあったので詳細は伏せるが、あらためてカプコンというゲーム会社は鉄人揃いということを思い知った……ような気がした。

そんなトークが終わって間もなく、ステージ側にて準決勝がスタート。予選とは異なり、二人一組同時にツンドラマンステージをプレイし、そのタイムを競う。ちなみに四人のタイムはいずれも開発スタッフの想定以上のようで、対決は接戦となることが予感された。

そして、実際の試合はそのような展開に。場面に応じて素早く武器を切り替え、難所を潜り抜けていく上位四人のプレイはまさに”神業”で、観戦する誰もが見入ってしまうものになった。

勝ち抜いたのはNKEN、まーくんの二名。
決勝はこの二人による一本勝負になった。

▲この状態から右の通路へと奇跡的に突破!

その勝負もまた神業の連発。特にまーくんはステージ中盤で特殊武器「パイルドライブ」によるショートカットを失敗してしまい、あわや下のトゲに落下かと思いきや、諦めずに同武器を連射してこれを突破。事故になり得る場面をギリギリの所で回避したのもあって、MC陣、観客からもどよめきが起こった。

最終的に勝ち抜いたのは、危機を脱したまーくん。見事、賞金と本作のキャラクターデザインを務められた石原雄二氏のイラスト色紙が贈呈された。

ちなみに優勝したまーくんは対戦格闘ゲームの全国大会「闘劇」において、『GUILTY GEAR(ギルティギア)』シリーズのザッパを使うトッププレイヤーとして知られ、「芋ウォーク」なる戦術を得意としていた。過去、闘劇では何度も優勝候補に挙がるも、準優勝、ベスト8の成績で終わっていたという。そんな彼がロックマン11の大会で優勝。当時の活躍を知る人たちからすれば、これがいかに感慨深いものであるのかが分かるかもしれない。

決勝後は優勝者インタビューが展開された後、エンディングとなり、参加者とMC陣、開発スタッフ全員の記念撮影が行われて幕引きとなった。

▲その後はスタッフ、MC陣のサインを求めてファンが集まる交流時間に。

『ロックマン11』は、ステージごとに複数の攻略法という名の「答え」が用意されていて、創意工夫によっては難所を一気に簡単にできたり、時には驚くような近道ができる。今回の大会を観戦して、改めてロックマンというゲームは攻略の糸口を探しだし、仲間と共有したり、お披露目することが面白い作品であることを再認識した。そして、攻略法の多彩さがあってこそ、このような大会も実現できたのだなと、感慨深い気持ちにもなった。

ゲームのタイムアタックはオンラインランキングにも対応していて、上位30人のプレイヤーは、その時の模様を記録したリプレイ動画を見れるようになっている。

上位陣だけあって、その動きは華麗の一言だ。
加えてこの動画には、ステージをスムーズに攻略するためのヒントも詰まっている。難所に手を焼いていた時、この動画を見れば、突破口を発見できるかもしれない。

上位陣の動きを真似る必要はない。
もし、行き詰まったら動画を見てみよう。
きっと「難しい」と感じたことに対する「答え」があるはずだ。

難しいと思ったら疑え。

今回のロックマン11の難易度はそう申せるものなのでは。
そんなことを考えたりもした一日でした。

ちなみに会場には、歴代シリーズのパッケージイラストに10周年当時のロックマン人形、さらにはファンが持ち込んだシリーズのボスキャラクター達の粘土細工のフィギュアも展示されていた。特にフィギュアは外伝作品まで網羅していたところに、並々ならぬロックマン愛を感じた次第です。

▲下段に西遊記をモチーフにしたボス三体がいたのにニンマリ。(※メガドライブで1994年に発売された『ロックマンメガワールド』に登場する新規ボス)

(取材日:2018年12月17日@Red Bull Gaming Sphere Tokyo)

 

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新旧のゲームを遊びまくる人。ひよっこライター。個人サイト「foriio」「box sentence」、連載「だからゲームはやめられない」、ゲーム/アニメ/映画