2020年7月

【推しの一作】あなたの生きる世界は本当にノンフィクションですか?~真下みこと著『#柚莉愛とかくれんぼ』〜

(by みくりや佐代子) 想像はフィクションである。想像と実際は別物である。 けれど真下みこと著「#柚莉愛とかくれんぼ」は小説でありフィクションであり、現実である。「矛盾しているじゃないか」という声も聞こえてくるが、まさにその「矛盾」がスピード感をもって鮮やかに描かれているのが本作の見どころ。第61 […]

【映画エッセイ】『劇場』〜蒲田の片隅からフ●ックと叫ぶためだけに生きてきたんだ〜

(by 蛙田アメコ) 『――お前さ、自分のこと才能があるって思う? じゃあさ、人から才能があるって思われてないってことには気づいてる?』 突き刺さるセリフ。私は思った。 「うるっせええぇええぇ~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!」 と。 *** 2020年、7月17日より映画『劇場』が、劇場公開 […]

【エッセイ】『ル・ポールのドラァグレース』〜批判を受け止めるための自尊心〜

(by こばやしななこ) 批判を受けとめることの難しさについて、考えている。 なぜそんなことを考えているのかといえば、数日前に日本配信が始まったアメリカの人気コンペティション番組『ル・ポールのドラァグ・レース』の新シーズンを駆け抜けるように見たあとだからだ。 『ル・ポールのドラァグ・レース』とは、シ […]

【この一曲】天才になれなかったすべての私たちの余生に捧ぐ--ヨルシカ“八月、某、月明かり”

(by 満島エリオ) 25歳になったら死のうと思っていた。そればかり考えながら生きていた時期がある。 * ものごころついた時から、将来の夢は「小説家になる」だった。自分だけの物語を空想しては、それを一生懸命ノートに書き記した。多くの子どもが一度は通る道だ。 中学生の時、綿矢りさが最年少で芥川賞を受賞 […]

【名画再訪】『永い言い訳』〜どうしようもない大人たちよ、時には振り絞るように泣け〜

(by みくりや佐代子) 正しい母親像、正しい父親像についてこの頃よく考えている。 何をもって正しいというのかはっきりとした定めがないこの概念は、辞書を引けどネットを彷徨えどそれらしい形をしたものしかなくて、ドアの先にドアが続くようにいつまでも惑わされてしまう。 西川美和監督作品「永い言い訳」を観た […]

【エッセイ】赤と白の交わる、ギンガムチェックの上で~人と料理のささいな話〜

(by 安藤エヌ) なんてことのない食事が、大きな気づきをもたらしてくれることがある。食事とはふしぎなものだ。人が生きる上での中枢に近い部分に、根ざしているのではないかと思う。 先日、冷凍で買っておいた鮭のソテーをフライパンで焼いている途中、ふと思いついた。 「もう何日もフレンチを食べていない。フォ […]

【フリーに生きる】第2回:小説家・岸馬きらくの場合〜「生きている時間」を増やすということ〜

(by 岸馬きらく) 「やりたいことをやっている時間は生きている。やりたくないことをやっている時間は死んでいる。なるべく長く生きたいと思う」 これが作家・マンガ原作者そして創作サロン『岸馬きらく創作研究所』の運営をしている私、岸馬きらくの座右の銘です。この座右の銘について今から話をしようと思います。 […]

【映画レビュー】『ドクター・ドリトル』〜お久しぶり、さようなら、またいつか〜

(by 蛙田アメコ) 久しぶりだね、映画館! 元気にしてた? 6月のおわり、マスクを持ってソシャディス(ソーシャルディスタンス)をとって、とことこと映画館に行った。ポップコーンとメロンソーダを買った。メロンソーダは大好物だ。 映画館に「入場する」瞬間にはマスクをみんなしていた。そこから先は、マスクを […]