2020年8月

【エッセイ】だれも知らない誕生日

(by 冬日さつき) 八月のおわり、多くの人が「もう夏もおわったな」とつぶやく。わたしはいつも心の中でそれに反論している。わたしの誕生日がおわるまでは、夏はおわらない決まりなのだと。勝手この上ないルールだけれど、これはずっと前からそうなのだ。 小学校のころから誕生日がなぜか偶然登校日になることが多か […]

【エッセイ】私は祈りを書いている

(by 蛙田アメコ) 小説を書いていて、時折「どうして書いているの」とか「何を書きたいの」と聞かれることがある。どう答えていいのかわからなくて、あいまいな返答をしてしまうことが多い。けれど、夏になると思い出すことができる。私は「祈り」を書いているのだと思う、たぶん。 死ぬには夏がいい。何故なら、夏の […]

【エッセイ】泥魚~なぜ苦しいのに「書き続ける」のか、その問いと叫び〜

(by 安藤エヌ) なぜ「書いている」んだろう。 そう、自問自答することがある。いつから「書く」ことを始めたかといえば、おそらく高校時代からで、「書く」ことが楽しいと知り、大学は専門的に学べる学科を目指し、入った。その時、私は人生最大(であろう)の病を患っていたので(心の病気だった)、決して満足に学 […]

【エッセイ】270円でサカナクションに生きる力を貰った話

(by みくりや佐代子) 仕事を早めに切り上げて午後にふらりとヒトカラへ行った。 とりあえずサカナクション「新宝島」を入れて、一度目はPVを視聴する。リリースからはもう1年経つ曲だが自分の中でブームが去る気配がない。目に飛び込んでくるオレンジと白のバイカラーは真新しく、狭い部屋にたったひとりで大画面 […]

【エッセイ】「お金に困る」の定義

(by こばやしななこ) 先日、母と電話をしていたら「私たちお金に困ったことってないよね」と言われた。 「そうだっけ?」と返さずにいられなかった。けっこう困ってきたと思うけど。 私が人生で一番裕福だったのは、4歳あたりだ。大企業に務める父と、主婦の母と暮らしていた。私は幼稚園に通いながらクラシックバ […]

【エッセイ】スタジオジブリ作品を劇場で観る、かつての子どもだった私へ

(by 安藤エヌ) 未来の自分がもう一度、あの夏に行けるなんていうことを、18年前に映画館を出た私は思いもしなかっただろう。 6月末から全国劇場にてリバイバル上映が決定されたスタジオジブリ作品。私はその中から『千と千尋の神隠し』を観に行った。本作が初めて上映されたのは2001年。今から19年前だ。1 […]

【連載/LIFE−】第7回:テキストにおける “若さ”から手を切るということ

(by 葛西祝) 若さを良いものと評することは多い。選手が全盛期を迎える期間が限られたスポーツはまさにそうだし、流行りのファッションや音楽からは誰でも良い意味で若さを捉えているだろう。 だけど多くの人が見て、若さがすぐに気づかれない分野がある。それがテキストにおける若さである。 毎日誰もが目にする文 […]