理想のノベルゲームだ、これ。

私はプレイが終わった後、しばし茫然とモニターの前から動けなかった。
頼む、すべての百合好きはこのゲームをプレイしてくれ!! そして私と語ってくれ!!!

そのゲームの名は、『バタフライ・スープ(原題:Butterfly Soup)』。

頼む。すべての百合好きはこのゲームをプレイしてくれっ(2回目)。

■『バタフライ・スープ』ってどんなゲームなの?■
基本情報:https://brianna-lei.itch.io/butterfly-soup(ダウンロードもこちらから
プレイ時間:約3時間
選択肢による分岐:なし

舞台はアメリカ。
白人よりも圧倒的にアジア系の人口が多い地方都市に住む、アジア系の女の子たちが主人公。
ルーツも性格もバラバラな幼馴染である4人の女の子を中心に(偶然にも)女子ばかりで結成された野球チームを舞台としたストーリーが展開されていく。4人の視点からそれぞれ過去や心情が語られる形式になっており、

「親の過度の期待と、行動の監視や規制がつらい。98点のテストを見せると、どうして100点じゃないんだと怒られる」
「あれ、まって。わたしはレズビアンかもしれない!?」
「自分の顔が嫌い。可愛いあの子のようにはなれないから、おちゃらけてるんだ」
「女の子の服なんて着たくない、女だからって我慢しなくちゃいけないなんてクソだ!」

……というような、誰もが経験したことがあるような葛藤がそれぞれのキャラクターによって語られる。
彼女たちが、悩んだり苦しんだりしながらもお互いのことを尊重して仲良くなっていくわけだ。

もうね。
なんでしょう……こんな優しい世界を見せてくれてありがとう。

高校時代に誰もが抱いていた悩み――シャイな自分、親との関係、成績、セクシャリティ、人種、そして容姿――を同じように抱いた少女たち(とときどき少年)が、丁寧に、それはそれは丁寧に、とっても優しく描かれているんです。

■上質な、百合!!■
そしてですね、本作品は恋愛ノベルゲームなのですが、女の子同士の恋愛がメインテーマとなっている、いわゆる百合作品っていうやつなんですね。

もうっ!! 胸のときめきが止まりません!! 断言します。ときめきで胸が張り裂けます!! だってさ。ルーツが違う女の子二人がさ。野球観戦しながら「あなたの国の言葉で『こんにちは』ってなんていうの? 教えて!」って話の流れでさ。ちゃっかり、

『愛してる』

って言葉を教えるのやばくないです???
それが、ふたりだけの秘密の挨拶になるんですよ????

真面目委員長系かと思われてたキャラが、おちゃらけ元気関西弁系のキャラと食べ放題に行ったり、イタズラ合戦するんですよ????
可愛すぎません?????

もう私のきゅんきゅんゲージはマックスに振り切れております!!!

……ふう。少々興奮しすぎたようです。

▲キメきれないところも可愛い。全編にわたって軽妙なギャグテイストが心地いい。

■随所のテキストが秀逸!!■
この『バタフライ・スープ』、また小ネタが秀逸です。野球に興味を持ったきっかけのシーンが……、

▲名作野球漫画の題名が……っ、この子たち、くわしいっ!!

うわあ、日本のオタクだっ!!!
このあたりのやりとりとかが、すごく「ナマっぽい」んですよね。翻訳も秀逸ですし。すごく楽しい。

また、人種的・性的マイノリティというのも本作のテーマのひとつとして存在しています。

それだけではなく、家族との不和などのいわゆる「生きづらさ」に寄り添ったテキストが、やさしく心に刺さる……っ!

▲いわゆる「世間体系教育ママ」との関係に悩む台湾系アメリカ人のノエル。

こういったテーマを、優しく、ときに鮮烈な一文で描き切った本作。
これをプレイされた方はこう、「私に向けた物語だ」って感じることができるのではないかと思います。

あと、随所に出てくるメッセンジャーでのグループチャットのやりとりも楽しい。

▲小ネタが……w

■たのむから百合好きは『バタフライ・スープ』をプレイしてくれ■
『バタフライ・スープ』というタイトルの意味は、ラストシーンで明かされます。

きっと悩みはたくさんあるけれど、大人になるために悩むことを恐れないで。社会に羽ばたいて、仲間とともに、パートナーとともに歩むあなたの未来はきっと明るいから。……そんな、あまりにも優しくて眩しいメッセージが込められた作品でした。
主人公ふたりのとても幸せな立ち絵で終わる、珠玉のハッピーエンド最高。しかも、噂によると2019年には続編が発表されるとか!?

メインキャラのミンソとディーヤの二人にフォーカスした本作、もしかして続きは私の推しの秀才キャラノエルとおチャラけキャラのアカーシャにフォーカスされたり!?

もう、期待で胸が張り裂けそう。
みんな幸せになってくれ~~っ!!!

そんなわけで、丁寧に作られ、丁寧に翻訳され、そして日本の百合好き木っ端ラノベ作家を悶絶させた『バタフライ・スープ』。頼む、すべての百合好きはっ! このゲームをプレイしてくれ~~~~っ!!!!(3回目)

 

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