突然ですが、私はオタクです。

中学生の頃よりマンガアニメをはじめとする色々なサブカルチャーにのめり込み、ハマったキャラや作品のこととなると早口でとめどなく喋り倒す、正統派オタクであります。

そして、色々な方面にオタクの友人がいて、定期的に集まっては「オタク会」を開催しています。

つい先日もオタク4人で集まり、カラオケ屋の提供する「推し会プラン」(いい時代ですね)でそれぞれの推しジャンルの映像を持ち寄りプレゼンしあうオタク会を開催してきました。

ジャンルは全員バラバラで「宝塚」「歌い手」「アイドルゲーム」「お笑い」という、まさしく異種格闘技戦だったのですが、皆お互いの推しへの深いリスペクトがあり、「ここがかっこいい」「このシーン最高」などと褒め合い、絶え間なくペンライトを振る優しく幸福な空間でした。

こういう会を開催してる人は今や珍しくないと思いますが、この手のオタクの遊びの先駆者というか、代表的な人物として絶対に外せない人がいます。

そう、『腐女子のつづ井さん』でブレイクした「つづ井さん」です。

「部屋の壁を使いキャラの設定身長の位置にマスキングテープを貼る」「彼氏がいそうなクリスマス選手権」「女児になりきって女児向けアニメを見る」など、画期的な楽しみ方を提示してくれたつづ井さん。

その優れた発想力で底なしに貪欲に人生を楽しむ姿を見た人はこう思ったんじゃないでしょうか。「楽しいは作れる」ということを。

幸福というものについて考えるとき、「幸福が訪れる」とか「幸福を与えられる」とか、なんとなくよそからくるものだと思いがちです。でも、「幸せ」も「楽しい」も自分の力で作ることができる。そんなノウハウがつづ井さんの作品には詰まっています。

そんなつづ井さん、全3巻の『腐女子のつづ井さん』の連載を終え、次の作品が今年9月に刊行となりました。このコミックスの発売に合わせ、つづ井さんはとある文章を公開しました。

“そんな私が自分の日常生活を絵日記にし、沢山の方の目に触れるインターネットに放つ上で、「未婚で」「パートナーがおらず」「恋愛経験が極端に少ない」「女性」であることに関して自虐をするのは、もうやめようか令和、と思ったという話をします。”

こう切り出される文章は、以下のような内容でした。

社会に出て「若い女性なのに彼氏もいなくてかわいそう、寂しいはず」という言葉をよくかけられたこと。それが嫌で、言われる前に先回りして自虐するという方法を取るようになったこと。けれど、それを続けていくうちに疲弊していったこと。

それに気づいたつづ井さんはこう決意します。

“「ただ生きてて楽しい」という正直な今の現状を、変に謙遜せずそのまま絵日記にしたいと思いました。”

そんな「宣言」をもって発売されたのが、今回の新作『裸一貫!つづ井さん』です。
「友人の誕生日でもなんでもない日を祝うためにオリジナルグッズを作りまくる」「推しの情報が少なすぎるので自分の妄想を事実のように語る」など、相変わらず強すぎるエピソードの目白押し、抱腹絶倒の1冊です。

つづ井さんのユーモア溢れるオタクライフを描いた作品という意味では、『裸一貫!~』は『腐女子の~』と内容を同じくするようにも思えます。けれど、この二つの作品の間には、この文章で述べられているような、とても貴重で重要なつづ井さんの決意がある。

現代、つづ井さんのように、自分の好きなものに全力を注ぎ、日々を楽しく生きている人は多い。私自身もその一人です。

だから、まさしく「裸一貫」を見せてくれたつづ井さんの作品を、この宣言を、ただのエンターテインメントとしてだけではなく、多くの人に読んで知ってほしい。
私たちは自分の力で幸福な人生を作ることができるし、勝手気ままに幸福になっていいんだということを。
大丈夫、私たちには、“ただただ毎日生きるの楽しい~~”と言い切ってくれるつづ井さんがいるんだから。

ちなみに私事ですが、「オタク会」を開催した友人たちと今度「宝塚風メイク」体験をしに行く計画を立てているところです。

というわけで、メイクを男役か女役のどちらにするべきかが、私の目下の悩みです。楽しい~~。

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コミックエッセイ『裸一貫!つづ井さん』販売サイト

 

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