「新宿と渋谷の駅はメチャクチャ混むぞ。」
「通勤通学には向かないぞ。」
「駅内部はダンジョンだぞ。」
「訪れるたび地形が変わるんだぞ。」
「階段も消えるんだぞ。」
「池袋の方が落ち着いているからいいぞ。」
「埼玉県民なら池袋だぜ。」

……などと進学と就職の時、周りからよく言われた。

個人的にも、特に新宿に対しては強い警戒心を持っていた。
シティーハンターの街だからだ。
夕方の再放送がやっていた頃なんて、どこかしらでドンパチが繰り広げられ、ビルの屋上に狙撃手が潜んでいる危険な街という認識が強く、絶対行きたくない気持ちすらあった。

渋谷もテレビでよく映るスクランブル交差点の人混みを見るたび、ああいう所は歩きたくない思いがヒシヒシとあった。なので将来、都内に出たとしても、あの辺には足を踏み入れないようにしよう。上野か池袋辺りで留めよう、などと心にひっそり誓っていた。

気が付けば、どちらも都内で最も足を踏み入れる場所になった。

特に新宿。今や年に十回近くは訪れ、時に通り過ぎる街になっている。
そもそも、初めて就職した会社が新宿にあったほか、活動中にも何度か訪れた。
辞めて転職してからも、様々な縁から訪れることが数回。
ここで買ったゲームも結構ある。
ライターの仕事を始めて以降も、決まって訪れている。

そして、来るたび思う。
昔、行くのを薦めなかった人達は何度、現地を訪れたのだろう。
そもそも、行ったことあったのだろうか、と。

確かにどちらも都内屈指の混む場所だ。
駅の東口、西口、渋谷ならハチ公前なんて、通勤通学の時間外でも人でごった返している。

けど、どちらも南口(新宿なら新南改札、甲州街道改札)だと意外にそうでもない。
渋谷なんて差が歴然だ。目的地がハチ公前のルートから行く場合だと遠回りのハンデを背負わされるけど、人混みを避けて駅から出られるというのは結構大きい。

新宿も近年は「バスタ新宿」が完成した影響で人は増えたけど、それでも東口、西口よりは落ち着いている。それに、「甲州街道改札(元:サザンテラス口)」が生まれたことで、改札までの距離も縮まった。
さらに書店を始め、寄り道できる場所も増え、前に勤務していた頃より動きやすくなったように思う。まあ、相変わらず、総武線ホームに繋がる近辺は混み合っているけど。

2019年の劇場版シティーハンターでは、悲惨な目に遭った場所。

なので、常々思う。そんなにここって行動しにくい場所なのかと。
地形だって、確かに決まって工事が行われているけど、毎日通うたび階段が消えるなんてことはない。というか、消えたら怖いよ。どこのローグライクだ。

それに南口なら、混んでいてもそんな圧迫されるほどの思いはしないし、時と場合によってはすんなり外へ出れる。そういう別の選択肢があるのに、しんどい場所と昔、言ってた人達は東口と西口以外に最適解なしとの認識だったのだろうか。

もし、そうだとしたら、少し違う方向に行ってみなよ……と思う。
どちらも混む場所なのは否定しない。
けど、他にも出口があって、動きやすい場所があることぐらい把握しておこうよ。そうすれば負担を軽減できるし。何十回訪れても苦にもならなくなるよ。状況にもよるけど。

そんなことを思いながら、私はまたどちらの駅にも降りるのだった。

しかし、たまに聞く埼玉県民は池袋好きとの通説、あれってどこから来たのだろう。というか、私はどちらかというと苦手な方なのだが。
決まって混雑した所を通るハメになるし、あそこ。

……こんなこと言うと、「お前はイレギュラーだ」とか言われちゃうのだろうか。

 

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One thought on “エッセイ「新宿と渋谷、出口はそれだけじゃない」by シェループ”

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