考察– tag –
-
映画
【ぼくが映画に潜るとき】第9回:『ピース・オブ・ケイク』〜綾野剛がもっとも輝くのは、誰とでも寝る男を演じるときである〜
綾野剛に恋をして10年が経ってしまった。いつの日か六本木の小洒落たバーかなんかで綾野剛と運命的な出会いを果たし、寄り添って夜の街を歩く綾野剛とぼくがフライデー... -
映画
【新作映画コラム】『夜、鳥たちが啼く』〜そう考えただけで、素晴らしいじゃないか〜
これは現代人の悪い癖だと罪悪感を抱きながらも、この映画を観に行く前にレビューをいくつかチェックした。邦画といえばつまらない、という偏見が私を不安にさせたせい... -
映画
【武道家シネマ塾】第14回:『ケイコ 目を澄ませて』~生きること。戦うこと~
(*本稿では一部、物語の結末部分に触れています)僕がやってきた空手や空道において、試合後は相手に挨拶をするのが慣例だった。勝っても負けても笑顔で挨拶をし、握... -
映画
【ぼくが映画に潜るとき】第8回:『秘密の森の、その向こう』〜互いの哀しみを慰撫する「対等」な抱擁について〜
はんめを喪った哀しみを、ぼくはだれとも共有できずにいる。その実の娘である母とさえも。だからぼくはいまだに、はんめの死を現実のものとして認識できていない。もう1... -
漫画
【コミックレビュー】心の中に、雪が降る。私はそれをじっと見つめた~『うみべのストーブ 大白小蟹短編集』に寄せて
子どもの頃、雪が降ると生まれ変わったような気持ちになれた。足をばたつかせ、海を泳ぐように雪の上を走る。かじかんだ指を雪の粒に滑らせ、おにぎりの形にして雪玉を... -
映画
【新作映画コラム】『すずめの戸締まり』~きれいごとでは終わらせない~
(*本稿では一部、映画の核心部分に触れています) 『すずめの戸締まり』を観るために映画館に行ったら、開始10分で寝てしまった。 つまらなかったわけではない。長い... -
映画
【新作映画コラム】『マイ・ブロークン・マリコ』~傷を抱える私が観た、“大丈夫になるための”物語〜
どうしようもない不安に駆られ、安定剤を手に取り、夜のしじまの中で思うことがある。どうか、私に「大丈夫だよ」と言ってくれる人がそばにいてくれますように、と。そ... -
映画
【新作映画コラム】『LAMB /ラム』〜剥奪されたアイデンティティの物語〜
(*本稿には一部、映画のネタバレが含まれます)真におぞましいのは“人ならざるもの”の存在やその誕生なんかではなく、絶対的強者たちの純真かつ無自覚な傲慢さなので... -
映画
【新作映画コラム】『NOPE /ノープ』~本当に“ありえない”ものは、果たして誰なのか
(*本稿では一部、映画の核心部分に触れています)「ノープ」は、「ありえない」「無理」という拒絶の意味を持つ言葉である。元々は「no」を強調させるために「nope」... -
映画
【映画レビュー】『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』〜でっかいことはいいことだ〜
(*本稿には映画の内容に関する若干のネタバレが含まれます!)でっかいものが大好きな友達がいる。「巨大」とか「長大」という言葉に大笑いし、「モルヒネ規定量の500... -
映画
【名画再訪】『プロミシング・ヤング・ウーマン』〜性暴力がある世界に生きている〜
(※この記事には性暴力に関する記述が含まれます。) 最近、立て続けに周囲で起きた性被害の話を聞いた。テレビやネットで次々と性被害の告発がある中、告発できない被... -
映画
【映画レビュー】『流浪の月』~体も、心も、そのすべては持ち主だけのものなのに、そんな当たり前の尊厳が簡単に踏みにじられる世界で、私たちは生きている
(by 碧月はる)人は、自分の見たいようにしか物事を見ない。事実はひとつだが、どの立ち位置から眺めるかで、受け止め方は大きく変わる。見たいように見て、信じたいも... -
映画
【映画レビュー】失敗作『シン・ウルトラマン』〜現代的に描く視点が大局に依存した閉鎖性〜
(by 葛西祝) 『シン・ウルトラマン』ははっきりとした失敗作であって、原作の『ウルトラマン』がこんな風にリメイクされるんだって偏愛が無ければとても観ていられな... -
映画
【映画エッセイ】『青葉家のテーブル』~大人はもっと、ダサい自分を子どもに見せていい~
(by 碧月はる) 北欧のインテリアが好きだ。シンプルで木肌の温もりが感じられるものや、焼き物のぽってりとした趣。色は白、もしくは青を基調としたものに惹かれる。... -
映画
【映画エッセイ】あたしゃ、ケネス・ブラナーの魅力を語らせてもらうよ!
(by こばやしななこ)ケネス・ブラナーをご存知だろうか?最近では『テネット』の武器商人として知っている人も多いはず。私と同世代のアラサーたちには『ハリー・ポッ... -
推しの一作
【推しの一作】『30までにとうるさくて』は決して“女性のためのドラマ”ではない
冬模様に変化した街で、ショートブーツのファスナーを上げ切っていない人を二度見た。一度はバスの車内、一度はデパートの地下の総菜売り場だった。かかとから上へ伸び... -
映画
【ぼくが映画に潜るとき】第4回:『トムボーイ』〜「男の子」のふりをして過ごした、あのころのこと〜
(by チカゼ) 小学4年生のとき、ぼくは通っていた体操教室で約半年間、「男の子」のふりをしていた。運動音痴の双子の弟が教室への出席を拒否し始めたことが、そのきっ... -
映画
【映画エッセイ】『パワー・オブ・ザ・ドッグ』〜男らしさの犠牲者〜
(by こばやしななこ) なぜ、彼はああなってしまったのだろう。なぜ周りから愛されないふるまいばかりするのだろう。ドスドスと床を踏み鳴らす祖父の気配を感じながら... -
映画
【映画エッセイ】『猿楽町で会いましょう』〜若さの本当の価値と取り戻したいもの〜
「若さ」を恥ずかしいと思うたちだった。なぜか。この国は、若いこと、幼いことに価値があるとされているからだ。とりわけ女性は。 若い女性の肌や髪が画一的な「美しさ... -
映画
【ぼくが映画に潜るとき】第3回:『リリーのすべて』〜“女の子”でなくなっていくぼくを、夫はどんな気持ちで見つめていたのだろう〜
(by チカゼ)姿見の前で背広を脱ぎ捨てネクタイを外したアイナーは、内腿にペニスを挟み込んで「女性」に擬態する。「リリー」としての自身の裸体を指でなぞり、ひたす... -
映画
【映画レビュー】『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』がよすぎた件〜予習範囲にご注意!〜
(by 蛙田アメコ)(注:本稿には段階的なネタバレが含まれます!) あーーー、よかった。めっちゃよかった、本当によかった。 『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム... -
映画
【推しの一作】『キャロル』と洗練された退屈な街
(by 隷蔵庫)(注:本稿では一部、物語の核心に触れています) 2015年の冬、映画『キャロル』が公開された。ポスターに印刷されたケイト・ブランシェットとルーニー・... -
映画
【映画エッセイ】“ボクたちはみんな大人になれなかった”のだろうか?本当に?
友人と会うたび、私達はどうしてこうも昔話でいつまでも語り合えるのかと笑ってしまう。変わった口調のあの先生、エキサイティングな喧嘩を繰り広げる派手なカップル、... -
映画
【ぼくが映画に潜るとき】第2回:『ブロークバック・マウンテン』〜男女がいちゃつく改札前で、ぼくと彼女は手さえ繋げなかった〜
(by チカゼ)大学生のとき年上の社会人の女性と、少しだけ付き合っていたことがある。いわゆるTwitterの裏アカがきっかけで、初めて会ったその日にホテルに行った。告... -
日常
【ぼくが映画に潜るとき】第1回:『君の名前で僕を呼んで』〜どうしようもなく魅力的な「大人」について〜
(by チカゼ)舞台は80年代の北イタリア、夏。17歳のエリオは両親と滞在している別荘で、美術史の大学教授である父に招かれた24歳の大学院生・オリヴァーと出会う。繊細... -
映画
【映画レビュー】『空白』〜運命の行き着く果てにある光〜
(by とら猫) 命は重い。 なぜかというと、命は取り替えがきかないからだ。盗まれたものは買い直せばいいし、壊されたものは修理すればいい。けれど命だけは何をもって... -
ゲーム
【乙女ゲームレビュー】『灰鷹のサイケデリカ』〜魔女に向けられた篝火が照らす数奇な運命〜
(by すなくじら) 女性向け恋愛シミュレーションゲーム、通称「乙女ゲーム」におけるの最大の魅力は、わたしたちプレイヤーが“神の視点”から登場人物の生き様を追いか... -
映画
【名画再訪】『スタンド・バイ・ミー』~生と死のコントラストに、眩く光る友情〜
(by 安藤エヌ) 先日、スティーブン・キング原作の映画『スタンド・バイ・ミー』を観た。 映画好きならば必ず観ないといけない作品と思いながら、なかなか機会が... -
映画
【映画レビュー】『シンデレラ』〜魔法使いがビリー・ポーターでなければならない理由〜
(by こばやしななこ) 「たとえ辛い時も信じていれば夢は叶うもの」 ディズニーアニメ版『シンデレラ』が伝えるメッセージはこれに尽きる。描かれているのはどんな境遇... -
映画
【映画レビュー】『ビリー・アイリッシュ:世界は少しぼやけている』単なる成功譚ではなく、10代の痛みと喜びに満ちたドキュメンタリー映画
(by こばやしななこ) 時代のアイコンになったビリー・アイリッシュ 洋楽をあまり聞かない人でも、ビリー・アイリッシュの名は知っているのではないだろうか。2019年に...