ライフストーリー– tag –
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日常
【フォトエッセイ】3枚目:「ことば」に耳を傾けるため、私は喫茶店へ向かう ~人生の余韻を愉しむ手引き~
良い喫茶店には「ことば」が溢れている。店を訪れる人々が交わす他愛のない話、店主が淹れるドリップから滴る音、飾ってある花や調度品の声なき言葉。喫茶店に行く理由... -
関根という名のうさぎ
【関根という名のうさぎ】第4話「うさんぽの思い出」
どうも、関根です。関根という名のうさぎです。 わたしが死んでから約二ヶ月が経過しました。死んだあとの数日は意気消沈し、ペットロスまっしぐらの様相を呈していた飼... -
映画
【新作映画コラム】『夜、鳥たちが啼く』〜そう考えただけで、素晴らしいじゃないか〜
これは現代人の悪い癖だと罪悪感を抱きながらも、この映画を観に行く前にレビューをいくつかチェックした。邦画といえばつまらない、という偏見が私を不安にさせたせい... -
映画
【武道家シネマ塾】第14回:『ケイコ 目を澄ませて』~生きること。戦うこと~
(*本稿では一部、物語の結末部分に触れています)僕がやってきた空手や空道において、試合後は相手に挨拶をするのが慣例だった。勝っても負けても笑顔で挨拶をし、握... -
映画
【ぼくが映画に潜るとき】第8回:『秘密の森の、その向こう』〜互いの哀しみを慰撫する「対等」な抱擁について〜
はんめを喪った哀しみを、ぼくはだれとも共有できずにいる。その実の娘である母とさえも。だからぼくはいまだに、はんめの死を現実のものとして認識できていない。もう1... -
日常
【恋愛エッセイ】愛するってどういうこと? 〜今こそ愛について考えたくなった〜
唐突だが、私はまだ人を愛したことがない。男の人をちゃんと好きになったことが、多分まだない。恋をしたことはもちろんある。最後に恋をしたのはいつだったかな、中学3... -
武道家シネマ塾
【武道家シネマ塾】第13回:『麻雀放浪記』~命を懸けて、笑ってみたい~
僕が48年間生きてきて、わかったことがある。物事に命を懸けられる人間には、勝てないということだ。 僕がまだ格闘技の選手だった頃、お付き合いしていた女性が格闘技に... -
日常
【関根という名のうさぎ】第3話「秒針は回る」
こんにちは、関根です。関根という名のうさぎです。さらに言うと、関根という名の死んだうさぎです。 あんまり死んだ死んだ言うのもどうかと思い、あたかも死んでいない... -
漫画
【コミックレビュー】心の中に、雪が降る。私はそれをじっと見つめた~『うみべのストーブ 大白小蟹短編集』に寄せて
子どもの頃、雪が降ると生まれ変わったような気持ちになれた。足をばたつかせ、海を泳ぐように雪の上を走る。かじかんだ指を雪の粒に滑らせ、おにぎりの形にして雪玉を... -
日常
【フォトエッセイ】2枚目:祖母の姿、晴れた空、色づく葉、すべてを遺したいと思った日~写真という愛おしい記憶〜
新品の、まだ1枚も撮っていないインスタントカメラ。今日はこれがないと始まらない。絶対に持って行って、遺さなければならない光景がある。 その日、私は東京・錦糸町... -
日常
【エッセイ】私と世界のキリトリ線
会社員を辞めた2016年には絵空事に近かった「ものを書いて暮らしていきたい」という希望は、今のところ達成されつつある。 生活費を稼ぎながらスキマ時間で配信コンテン... -
日常
【関根という名のうさぎ】第2話「月に帰らないうさぎ」
こんにちは、関根です。関根という名のうさぎです。 今しがたインターホンが鳴って、大きなダンボールが届きました。その中には、先日飼い主その①がいつものようにネッ... -
日常
【エッセイ】職業選択の自由、あははん
僕の初めての就職は、わずか半年で終わった。職場はいい人ばかりで歓迎会まで開いてもらったが、本来の自分の属性(体育会系の文科系)とは真逆の仕事(理数系)による... -
関根という名のうさぎ
【関根という名のうさぎ】第1話「うさぎの口は堅い」
わたしは今、牧草を食べています。牧草はいつもプラスチックケースの中にたっぷりこんもり盛られていて、時間無制限の食べ放題です。ケースのふちに前足をのせて、牧草... -
映画
【ぼくが映画に潜るとき】第7回:『ボヘミアン・ラプソディ』〜フレディ、ぼくの永遠のヒーロー〜
フレディ、もし初潮が来る前にあなたに出会えていなかったら、ぼくは果たして今日まで生き延びることができただろうか。 月9の主題歌『I Was Born To Love』を高らかに... -
映画
【名画再訪】それでも私は『インスタント沼』が好きだと言い続けよう
その昔、街コンに参加したときのこと。 参加者に配られたプロフィールシートの中に「好きな映画」という項目があったので、私は正直に『インスタント沼』と書いた。いや... -
日常
【エッセイ】「何かに夢中になる人」の成功を喜べない
三杯目のアイスカフェラテを注文するのを躊躇した。目の前には、やけにハツラツと注文をとる学生アルバイトが立っている。おあずけを食らっても次の餌が貰えると信じて... -
映画
【名画再訪】『プロミシング・ヤング・ウーマン』〜性暴力がある世界に生きている〜
(※この記事には性暴力に関する記述が含まれます。) 最近、立て続けに周囲で起きた性被害の話を聞いた。テレビやネットで次々と性被害の告発がある中、告発できない被... -
映画
【映画レビュー】高齢者が安楽死を選択する社会『PLAN 75』〜早川監督はどこまで当事者として映画を撮っていたのか?〜
「見えないところで死ね」──それが街を行きかう人々や電車に乗る人々の総意なんだと僕は思い込むことがあって、精神が壊れそうになることも多い。精神が壊れた人は社会... -
日常
【フォトエッセイ】1枚目:写真で切り取る、日々是好日~1輪の花と老婦人との出会い〜
アザミのとげに触れるみたいに、胸がちくちくと痛いときがある。今がそれだ。ひとつの物事に対して受け取る感情が人一倍多い私は、日々の変化に直面するたびしばしば心... -
映画
【映画レビュー】『ベイビー・ブローカー』〜母親は赤ん坊を「捨てた」のか、それとも「託した」のか
(by 碧月はる)“この世に生まれなければ良かった命など存在しないと、自分は彼らに言い切れるのか?” 映画『ベイビー・ブローカ―』の公式サイトに記載されている、是枝... -
映画
【ぼくが映画に潜るとき】第6回:『ヴィオレッタ』〜母の「愛してる」からの逃亡〜
(by チカゼ)ものすごく幼いころ、ぼくはけっこう可愛い顔をしていた。目尻のきゅっと上がったぱっちりとした二重に、ふさふさの長いまつ毛。薄いくちびる、白い肌。く... -
日常
【エッセイ】6万字の愛~小説『愛をくれ』を書いて、今、私が思うこと
(by 安藤エヌ)2017年に、6万字の小説を書いて文芸賞に応募した。仕事の合間を縫い半年間におよぶスケジュールを立て、自身の半生と向き合い、痛みと喜びを書きなぐっ... -
日常
【エッセイ】プロポーズされた君へ、おめでとう。これから先も、隣で書かせて
(by チカゼ)かぼすが結婚する。その知らせを聞いていちばん最初に湧き上がったのは、「とうとうかぼすが彼氏に盗られてしまった」という身勝手な思いだった。「おめで... -
映画
【映画エッセイ】『青葉家のテーブル』~大人はもっと、ダサい自分を子どもに見せていい~
(by 碧月はる) 北欧のインテリアが好きだ。シンプルで木肌の温もりが感じられるものや、焼き物のぽってりとした趣。色は白、もしくは青を基調としたものに惹かれる。... -
日常
【エッセイ】トイレットペーパーとお尻の尊厳
(by こばやしななこ) 乙女のカリスマこと作家の嶽本野ばら先生が「キティちゃんのトイレットペーパーしか使わない」とエッセイに書いてらした。 思春期から彼の作品に... -
映画
【ぼくが映画に潜るとき】第5回:『パッチギ!』〜イムジン河を渡り切る意味について〜
(by チカゼ) ぼくは「祖国」がわからない。昨年、帰化申請をして日本国籍を取得したぼくは、「日本人」になった。それまでぼくは韓国籍で、書類上では「在日韓国人4... -
日常
【碧い海に浮かぶ月⑦】「大丈夫じゃない」を言えるようになったから
(by 碧月はる)梅の芳醇な香りに誘われて見上げた空は、白と青の絵の具を混ぜ合わせたような、薄い水色だった。ねじれた枝の先端でほころぶ蕾たちが、その淡い空色に小... -
日常
【碧い海に浮かぶ月⑥】365分の5日
(by 碧月はる)大事すぎる思い出ほど、誰にも見せずに自分のなかだけに留めておきたいと思う。生まれたての赤ん坊を抱きかかえるように、そっと静かに、ゆらゆらと揺れ... -
社会
【エッセイ】脚本コンクールの最終選考で落ちた話
(by こばやしななこ) 2021年、10月某日。パソコンの前に座った私は、1分ごとにクロームの更新ボタンをクリックしていた。開いているのは「創作テレビドラマ大賞」とい...
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