映画

【エッセイ】欅坂46という「燃える青」に出会った日~傷だらけでも生きて行く〜

(by 安藤エヌ) 私が欅坂46というグループに出会ったのは、世間が彼女たちの登場を目にしてどよめき立っていた頃ではなく、それから少し経った後のことだった。友達から『サイレントマジョリティ―』のMVを見せられ、まず目に飛び込んできたのはセンター・平手友梨奈の表現力だ。意志のともった鋭い瞳が、こちらを […]

【連載/映画ホルマリン漬け】第4回: 『恐怖の報酬 オリジナル完全版』~スターも銭を稼ぐのは大変だ~

(by とら猫) きっつ。銭かせぐのきっつ。 と初めて音を上げたのは、花屋のビラ配りの仕事だった。別に花が好きだったり、看板娘にホの字(死語)だったりしたわけではなく、当時大学生だった私はご多分に漏れず銭がなかったので、アンだかフロムエーだかで見かけた近所のビラ配りのバイトに申し込んだところ、花屋へ […]

【連載/隠れ名画のすゝめ】第6回: カメラが映し出す真実『ガール・ライク・ハー』

(by あでゆ) 人は正義や多勢の支持という傘を得た時、非常に残酷な生き物になる。そう思うことが最近非常に多くなりました。TwitterをはじめとするSNSで巻き起こる過度な炎上騒動もそうですが、私自身にも経験があります。 仕事でとある会議に参加した時のこと。そのやり方がとても気に食わなかった私は、 […]

【連載/字幕翻訳者の“この台詞が好きなんです”】第4回: 『天使のくれた時間』

あなたを選びます!I choose us! ――映画『天使のくれた時間』より (by 長夏実) 「あのとき、ああしていれば…」と後悔したことが今までの人生で何度であったでしょうか。 ジェイソン・ステイサム主演の『MEG ザ・モンスター』を観に行こうと思い朝イチの上映回を予約したときのこと。数日前まで […]

【連載/隠れ名画のすゝめ】第5回: 『ボヘミアン・ラプソディ』の監督が贈るもう一つの伝記映画『イーグルジャンプ』

(by あでゆ) 以前、塾講師をしていた頃のある生徒の話をしましょう。その子は高校1年生からの3年間を卒業まで受け持っていて、はっきりいって全く勉強ができない生徒でした。九九すらもおぼつかず、「七の段は?」と聞けば一個ずつ足して数えてしまうほど。当然勉強に対してやる気もなく、担当になってはじめの頃は […]

【ゲームレビュー】『GRIS』~ゲーム的物語表現の極致に触れる、喪失と再生のアクションアドベンチャー~

(by シェループ) アクションゲームに物語は要らない。このジャンルでは時々、そのような声が出ては議論になる。 背景にあるのはジャンルの性質だ。アクションゲームはその名の通り、キャラクターを動かし、作中の世界を直接体験することに主眼を置く。だからこそ、文章を読ませたり、長い映像を挟むなどの物語を想起 […]

【連載/隠れ名画のすゝめ】第4回: 心に深い傷を受けた『警視ヴィスコンティ/黒の失踪』

(by あでゆ) 何の気なしに観た映画で、その後しばらくいやな気分になることが稀にあります。例えば学生の頃に見た『ミスト』がそう。鑑賞後に「原作を改変してまで最悪な結末を描いたフランク・ダラボンという監督はなんて悪いやつなんだ!」と、暗澹とした気持ちに包まれながら帰宅をしたことを覚えています。 その […]

【連載/映画ホルマリン漬け】第3回:『孤狼の血』~あるおじさんの記憶~

(by とら猫) 役所広司という芸名の由来が、昔役所に勤めていたから、と知った時の衝撃はかなりのものだった。 あれは確かまだ小学生の頃、エネッチケーで『宮本武蔵』が放送されていた時分で、その特集番組か何かで小耳に挟んだのではなかったかと思う。なぜ衝撃を受けたかというと、名前っていうのはそんなに適当な […]

【連載/隠れ名画のすゝめ】第3回: ジャンルが抱える枠組みを俯瞰する『Allumette(アリュメット)』

(by あでゆ) 今回はちょっと変わった作品をご紹介したいと思います。ただその前に、私がその作品を観て思い返した自分にまつわる話をさせてください。 私は去年、星新一賞という文学賞に作品を提出し、ありがたいことに入賞をさせていただいたことがあります。これは私にとって大きな転機でした。そのまま少し調子に […]

【連載/字幕翻訳者の“この台詞が好きなんです”】第3回: 青春時代の『式日』

明日何の日か分かる? 明日は私の誕生日なの。 ――映画『式日』より (by 長夏実) 先日、久しぶりに実家に帰ったら地元のレンタルビデオ店が閉店していました。今のご時世、動画配信サービスも普及しているし、レンタルビデオ店なんて流行らないのかもしれません。でも、青春時代のほとんどをその店で過ごした私に […]

【連載/隠れ名画のすゝめ】第2回: オトナになりきれない人への『21ジャンプストリート』

(by あでゆ) 先日、『ペンギン・ハイウェイ』という映画を観に行ってきました。アオヤマ君と呼ばれる秀才小学生と、彼の近所で歯科助手として働くお姉さんを中心としたジュブナイルSF作品です。 アオヤマ君にとって、お姉さんは初めて恋心を抱く異性です。男性であるアオヤマ君にはないものを持った彼女は、彼にと […]

【連載/字幕翻訳者の“この台詞が好きなんです”】第2回: サムギョプサルは母の愛?

望み通りではないけれど、とにかく人生は続く。 ――映画『ブーメランファミリー』より (by 長夏実) 去年の春。私は突然、韓流沼に落っこちました。それは突然嵐のように…。「冬のソナタ」が大流行したときも、K-POPが流行りだしたときも、韓流ブームにそこまで乗っかることはありませんでした。友人が好きな […]

【映画ホルマリン漬け】第2回: 寒い系映画の覇道をゆく、美しい重苦しさ『ウインド・リバー』

(by とら猫) 寒い系、という映画がある。ないかもしれないが、少なくとも自分の中にはそういうジャンルが歴然としてある。他の人がどうかは知らない。 実際、季節は映画のテイストに大きく関与する。ざっくり言って夏の映画は外向的で明るく、冬の映画は内向的で暗い。もちろん例外はごまんとあるが、『シャイニング […]

【連載/隠れ名画のすゝめ】第1回: 人を赦すための物語『マザー!』

(by あでゆ) みなさんは、人を傷つけてしまったことがありますか? 約束を破ってしまったり、ちょっかいを出してしまったり、あるいは意見が食い違ってしまったり。様々な形があると思いますが、誰しも一度くらいはなにか経験があるのではないでしょうか。 私はまだ大学に入って間もない頃、塾講師のアルバイトをし […]

【連載/字幕翻訳者の“この台詞が好きなんです”】第1回: パスポートの行方

ウィンの手が早く治らないように祈った。幸せだったから。 ――映画『ブエノスアイレス』より (by 長夏実) 先日、「君の名前で僕を呼んで」 (監督: ルカ・グァダニーノ)を観ました。 物語の舞台は、夏の北イタリア。17 歳のエリオ(ティモシー・シャラメ)は、大学教授の父が招いた大学院生のオリヴァー( […]

【連載/映画ホルマリン漬け】第1回: そしてミルドレッドはロックスターになる『スリー・ビルボード』

(by とら猫) 腹が減ったら食う。 眠くなったら寝る。 ムカついたらぶん殴る。 できればそうやって本能の赴くまま、六十年代のロックスターのように生きていきたいと思うが、実際はそうは問屋が卸さないのが人生の厳しいところだ。なかにはエアロスミスというグループのスティーヴン・タイラーという歌い手のように […]