小説

【エッセイ】傷つきやすい人のための小説の読み方

(by みくりや佐代子) 小説を読む前に、安全バーが欲しい。 朝の通勤バスの中でKindle画面を立ち上げ今日読む本を選ぶとき、注意深く「あらすじ」を読み込んだり本のタイトルに「感想」のワードを加えて検索したりと、やたら慎重になってしまう。最近はいつもそうだ。「どこに旅に出るのか」、ゆく先を知ってい […]

【映画レビュー】『ミッドナイトスワン』〜燦然とした母性という愛の形を、凪沙の静かな涙に見る~

(by 安藤エヌ) このレビューを書くために喫茶店へ向かう間、西の柔らかい斜光の中で歩く何組もの親子連れを見かけた。幼い子どもが親に手引かれ、家へと帰っていく姿を眺めながら、映画『ミッドナイトスワン』の余韻をもう一度思い起こしていた。 本作はトランスジェンダー(心と体の性が不一致である人)の凪沙と、 […]

【連載ノベル/庵財クロエの百科事典】第2話: 割りの良いバイト②

(by 蛙田アメコ) 《前回までのあらすじ》『効率厨』で一流大学入学まで駆け上がってきた小松崎つむぎ。しかし、バイトに精を出しすぎた結果の寝坊により留年&奨学金の支払い停止が確定してしまった。フランス語講師の朝比奈から紹介された法外に割りのいいバイトの面接に行く途中、チンピラに全力で上段回し […]

【連載ノベル/庵財クロエの百科事典】第1話: 割りの良いバイト①

(by 蛙田アメコ) 《第0話からの続き》 高校時代までは冗談のひとつも通じない真面目キャラだった。というか、今でもそうだ。冗談とか、うわっつらの友人同士の付き合いとか。そんな非効率的なことは性に合わない。私が、経済学部に進学した理由も『経済』というからには文学や法学よりも実生活に役立つのだろうと予 […]

【連載ノベル/庵財クロエの百科事典】第0話: プロローグ

(by 蛙田アメコ) 美しい言葉なんて、麗しき物語なんて。どうせ虚ろで無力なものだと思っていた。――庵財あんざいクロエに出会う、その日までは。 東京都心、田町駅。レトロ系高級マンション、パレスロゴス最上階。13階1301号室。そこが庵財クロエの仕事場であり、私のバイト先だ。「おはようございます、クロ […]