傑作

【ゲームレビュー】「声の力」を宿した、Nintendo Switch版『ファミコン探偵倶楽部 消えた後継者・うしろに立つ少女』

(by シェループ) 使い方次第で場の空気を変え、受け手の感情を揺れ動かす。『ファミコン探偵倶楽部』というテキストアドベンチャーゲームは、そんな音の持つ力を思い知らされる名作だった。 ただ、その力は色数の少ない映像に象徴される、当時の技術の恩恵があって光っていた所もある。それは一連の表現が強化された […]

【名画再訪】太ってしまった私と、映画『ヘアスプレー』~トレイシーに教わった「人生の楽しみ方」

(by 安藤エヌ) コロナのおかげで(せいで?)激太りしてしまった。ぽっちゃりとした頬、たるんだお腹。去年の夏に一念発起して有酸素運動と食事制限をしたものの、思うように続かずリタイア。そこから半年間、時間がないという理由をつけて怠惰をきわめた結果、いまだダイエットに成功できないでいる。 周りを見渡せ […]

【名画再訪】『アメリ』~わたしがわたしのままでいることを許してくれた映画~

(by 冬日さつき) 蛙田アメコさんが記事の中で書いていた、「『アメリ』に罪はないけれど」という一文で、わたしは中学時代のことを思い出していた。 わたしは田舎の公立中学に通っていた。学級崩壊をするようなレベルではないけれど、公立ということもあって、いろんな生徒がクラスにいた。いじめは常に横行していて […]

【仏語も学べる手塚漫画レビュー】『Vampires/バンパイヤ』(和訳付き)~変身の現実世界を描いた、手塚のキャリア転換期の一作~

(by  Julien Bernard) Depuis les années 60, le manga d’horreur (kaiki manga) est en plein boum. Pour Osamu TEZUKA c’est une période noire, il est […]

【名画再訪】『アイアンマン3』コンビのオシャレ映画『キスキス,バンバン -L.A.的殺人事件』を48回観た話

(by 蛙田アメコ) ◇『アメリ』に罪はないけれど。 世の中には「オシャレ映画」というカテゴリーの映画がある。例えば『アメリ』とか。『アメリ』のコンテンツ力ったらすごくて、一時期は「サブカル女子が観る映画といえば『アメリ』」、そして「意識高い系女子が観る映画といえば『アメリ』」、かくいう自分も「映画 […]

【映画レビュー】『ジョジョ・ラビット』のヒトラーが持つ映画での役割~彼はジョジョの親友で在り続けるのか~

(by 安藤エヌ)(注:本レビューに直接的なネタバレは含まれませんが、一部物語の内容に触れています) 映画『ジョジョ・ラビット』を観た。 兎が殺せない? 年端のゆかない子どものイマジナリーフレンドが、あの悪名高きアドルフ・ヒトラー? 観る前からSNSに流れてくる情報で、私は完全に食わず嫌いをしていた […]

【映画レビュー】『パラサイト 半地下の家族』~ポン・ジュノ監督が構築した韓国(もしくは世界)の凍りつく寓話~

(by 葛西祝)(注:本レビューには映画のネタバレが含まれます) 靴 半分地下で暮らす貧しい家族。その一人息子が、姉の偽造した書類を通して高級住宅街に暮らす一家の家庭教師に行く日、汚れひとつない靴を履いていた。 『パラサイト 半地下の家族』(以下、『パラサイト』)序盤のシークエンスを見ながら、ある話 […]

【名画再訪】ファン必見、ジョニー・デップの真骨頂は『リバティーン』だと主張したい件

(by 蛙田アメコ) 誰が自分の代わりに死んでくれた――そんな映画の話をしようと思う。    * * * 人生を変えた一作、と言われて思い浮かぶ作品はいくつかある。 とりわけ、映画。映画はいい。映画はいつだって、私の人生を変えてくれた。そのうちの一作は間違いなく『パイレーツ・オブ・カリビアン』で、当 […]

【名画再訪】『タイタニック』に見る、“死”を前にした乗客の人間ドラマ~私たちはその一人になる~

(by 安藤エヌ) 人生のうちでベスト5に入る映画は?と訊かれたら、私は『タイタニック』をその中に挙げる。いつまでも永遠に私の心の中に残り続ける、切なくも痛ましい、忘れ得ぬ記憶として心臓に刻みつけられる名作だ。 人生で大切な映画というのは、初見から二度目、三度目と時間を空けて観るのが望ましい。その折 […]

【推しの一作】『ハリー・ポッター』と裕美の部屋

(by 須藤裕美) ハリー・ポッターシリーズ(以下:ハリポタ)を読むためには、二週間は外界から完全にシャットアウトして家に引きこもる必要がある。なぜならあのすばらしい世界に浸るためには、それぐらいの準備と覚悟がいるからだ。本書を読んでいる間、わずらわしい仕事や交友関係などに邪魔されたくないわけだ。ス […]

【名画再訪】~考えるのをやめないこと~『ちいさな哲学者たち』

(by 冬日さつき) 「何があなたを生かして、何があなたを滅ぼすか」という問いに、「疑問を持つこと」と答えたことがある。小さなころから常にわたしの頭の中には疑問があふれていて、いつでも考えることをやめようとしなかった。いつか大人になったら、すべてのことを知れるようになるのだと信じていた。 どちらかと […]

【名画再訪】『プリシラ』~11歳の私を支えたドラァグクイーン~

(by こばやしななこ) 人に映画が好きだと話すと、よく「一番好きな映画は?」と尋ねられる。 私はその時、ほとんど本当のことを言わない。だって個人的な思いが強すぎる映画を答えたって、盛り上がらないじゃん。だから一番好きな映画のことは、一部の親しい人たちにしか話してきてない。 本当に一番好きなのは19 […]

【映画レビュー】限界オタクにこそ観てほしい『アナと雪の女王2』

(by 安藤エヌ) こんにちは、鬼滅の刃読んでますか?安藤エヌです。 私は映画について硬めの文体でレビューを書く時もありますが、本体はかなり限界を迎えたオタクです。しんどいマンガやアニメが大好き。限界を迎えた……というのは端的にいうと ・作品が好きすぎてしんどい・キャラが愛おしすぎてしんどい・つらい […]

【映画エッセイ】顔が最高に良い推し洋画俳優、ティモシー・シャラメの話していいですか?

(by 安藤エヌ) 顔が良すぎて何も言えねえ。 ――といいたいところなのだが、このまま筆を放り投げてしまうとせっかくの機会に彼の魅力を自ら伝えることが出来なくなってしまうので、崖っぷちで岩をも掴むくらいの握力で筆を握り、語気強めに書いていこうと思う。 『君の名前で僕を呼んで』で主演を務めて以来、爆速 […]

【映画レビュー】『ジョーカー』が見せる、エンタメとリアルの危ういバランス

(by とら猫) 『ジョーカー』における最大のタブー、そしてチャレンジは、本来薄暗い部屋でひっそり嗜まれるような主題を、純正のエンタメという形でマスに届けたことではないか。 そう考えると、賛否が巻き起こっているのも頷ける。『ジョーカー』は仲間に遊ぼうぜと誘われて行ったら、陰惨な弱い者いじめを延々見せ […]

【ゲームエッセイ】~私の『ドラゴンクエスト5』における物語とは~

(by 須藤裕美) 言わずと知れた名作である『ドラゴンクエスト5』(以下、DQ5)をスーパーファミコンで初めてプレイしたのは、小学校5~6年生のときだったと思う。モンスターを仲間にできるということで、子供時代を飛ばすように乗り越え、青年期に入ったことをいまでもよく覚えている。初めて仲間にしたのはスラ […]

【映画レビュー】『ジョーカー』を通じて知る、皮膚の中の痛み

(by こばやしななこ) 『ジョーカー』を観た後、売店でパンフレットを買った。表紙には口角を指で無理やり上げて笑い顔を作りながら涙を流す、ピエロの化粧をした主人公の顔が印刷してある。映画のオープニングシーンだ。 私の恋人は表紙の顔に触れ言った。 「皮膚の中の痛みだ」 これ以上、この映画を表現する言葉 […]