ジェンダー

【推しの一作】『30までにとうるさくて』は決して“女性のためのドラマ”ではない

(by みくりや佐代子) 冬模様に変化した街で、ショートブーツのファスナーを上げ切っていない人を二度見た。一度はバスの車内、一度はデパートの地下の総菜売り場だった。かかとから上へ伸びるファスナーは半端な位置で留まり、足首の部分の黒い皮が外側に開いていた。 それを見つけた時、「あ、私だ」と思った。私と […]

【ぼくが映画に潜るとき④】『トムボーイ』〜「男の子」のふりをして過ごした、あのころのこと〜

(by チカゼ) 小学4年生のとき、ぼくは通っていた体操教室で約半年間、「男の子」のふりをしていた。運動音痴の双子の弟が教室への出席を拒否し始めたことが、そのきっかけだった。 ぼくはそのころ、しょっちゅう男の子に間違われていた。短い髪と、Tシャツに短パン。そういう服装を好むだけの「ただのボーイッシュ […]

【ぼくが映画に潜るとき③】『リリーのすべて』〜“女の子”でなくなっていくぼくを、夫はどんな気持ちで見つめていたのだろう〜

(by チカゼ) 姿見の前で背広を脱ぎ捨てネクタイを外したアイナーは、内腿にペニスを挟み込んで「女性」に擬態する。「リリー」としての自身の裸体を指でなぞり、ひたすらに、食い入るように見つめる。その恍惚を、ぼくはたしかに知っている。己のものとして。 1930年、世界で初めて性別適合手術を受けたトランス […]

【ぼくが映画に潜るとき②】『ブロークバック・マウンテン』〜男女がいちゃつく改札前で、ぼくと彼女は手さえ繋げなかった〜

(by チカゼ) 大学生のとき年上の社会人の女性と、少しだけ付き合っていたことがある。いわゆるTwitterの裏アカがきっかけで、初めて会ったその日にホテルに行った。告白は、していない。ぼくも彼女も「付き合おう」「好きだよ」などという明確な約束は、最後まで口にしなかった。違う、できなかったのだ。 彼 […]

【ぼくが映画に潜るとき①】『君の名前で僕を呼んで』〜どうしようもなく魅力的な「大人」について〜

(by チカゼ) 舞台は80年代の北イタリア、夏。17歳のエリオは両親と滞在している別荘で、美術史の大学教授である父に招かれた24歳の大学院生・オリヴァーと出会う。繊細で線の細いエリオをティモシー・シャラメ、陽気で自信家で筋肉質なオリヴァーをアーミー・ハマーが演じている。華奢で儚げなシャラメに対して […]

【映画エッセイ】私がLGBTQ映画を観る理由~自分にとっての「映画」とは何か〜

(by 安藤エヌ) いつも真面目な話をしていないというわけではないのだが、今回は少し真面目な話をしようと思う。私にとって映画とは何か、また、私が進んでLGBTQ(セクシャル・マイノリティ)の人物が登場する映画を観る理由は何か、ということを、腰を据えて話してみたい。 映画を観ることは「人や物事を自分の […]

【フリーに生きる】第1回:ラノベ作家・蛙田アメコの場合〜宙ぶらりんな私たちへ〜

(by 蛙田アメコ) 2020年2月4日をもって会社への出勤をやめた。 なぜ『出勤をやめた』なんて煮え切らない書き方をするのかといえば、いわゆる『休職期間』をいただいている。会社員でもなく、フリーランスでもない宙ぶらりんの私は、眼前に広がる『フリーに生きる』という選択肢をぼんやり眺めている。私にとっ […]

【インタビュー】ラノベ作家・蛙田アメコ~プロデビューから続編や翻訳版の出版、Web連載と続いた怒涛の一年を振り返って~

(聞き手:とら猫) 当BadCats Weeklyでも、高い創作スキルに裏打ちされた、多彩な味わいのレビューやエッセイを寄稿されている、ラノベ作家の蛙田アメコさん。2019年2月に待望のプロデビューを果たしてから、わずか一年の間に長編3作がリリースされ、海外でも2作が翻訳されるという、素晴らしい活躍 […]