アカデミー

【映画エッセイ】ジョエル・コーエン監督『マクベス』が描く、疲れた還暦超えマクベスの悲劇

(by こばやしななこ) 幾度となく再演され映画化されてきたシェイクスピアの名作『マクベス』が、コーエン兄弟として知られるジョエル・コーエン監督の手によって映画化された。コーエン版『マクベス』は、省略や脚色を施しつつ原作の台詞をふんだんに使用し、極めて原作に忠実に作られている。それにもかかわらず、観 […]

【映画エッセイ】『パワー・オブ・ザ・ドッグ』〜男らしさの犠牲者〜

(by こばやしななこ) なぜ、彼はああなってしまったのだろう。なぜ周りから愛されないふるまいばかりするのだろう。ドスドスと床を踏み鳴らす祖父の気配を感じながら、息をひそめいつも考えていた。なぜ?と。 両親が離婚してから数年、母と祖父と一緒に暮らした。何年一緒に暮らしても家族だとは思えなかった。一緒 […]

【映画レビュー】『ジョーカー』が見せる、エンタメとリアルの危ういバランス

(by とら猫) 『ジョーカー』における最大のタブー、そしてチャレンジは、本来薄暗い部屋でひっそり嗜まれるような主題を、純正のエンタメという形でマスに届けたことではないか。 そう考えると、賛否が巻き起こっているのも頷ける。『ジョーカー』は仲間に遊ぼうぜと誘われて行ったら、陰惨な弱い者いじめを延々見せ […]

【映画レビュー】『ジョーカー』を通じて知る、皮膚の中の痛み

(by こばやしななこ) 『ジョーカー』を観た後、売店でパンフレットを買った。表紙には口角を指で無理やり上げて笑い顔を作りながら涙を流す、ピエロの化粧をした主人公の顔が印刷してある。映画のオープニングシーンだ。 私の恋人は表紙の顔に触れ言った。 「皮膚の中の痛みだ」 これ以上、この映画を表現する言葉 […]