レビュー– category –
-
レビュー
【この一曲】天才になれなかったすべての私たちの余生に捧ぐ--ヨルシカ“八月、某、月明かり”
25歳になったら死のうと思っていた。そればかり考えながら生きていた時期がある。 * ものごころついた時から、将来の夢は「小説家になる」だった。自分だけの物語を空... -
レビュー
【名画再訪】『永い言い訳』〜どうしようもない大人たちよ、時には振り絞るように泣け〜
正しい母親像、正しい父親像についてこの頃よく考えている。 何をもって正しいというのかはっきりとした定めがないこの概念は、辞書を引けどネットを彷徨えどそれらしい... -
レビュー
【映画レビュー】『ドクター・ドリトル』〜お久しぶり、さようなら、またいつか〜
(by 蛙田アメコ) 久しぶりだね、映画館! 元気にしてた?6月のおわり、マスクを持ってソシャディス(ソーシャルディスタンス)をとって、とことこと映画館に行った。... -
レビュー
【名画再訪】『her~世界でひとつの彼女~』から見る近未来的で原始的な愛の形
「愛してる」だの「そばにいて」だの、恋愛には言葉がツールとして用いられることが多い。指輪というただの金属が「結婚しよう」という台詞によってプロポーズとみなさ... -
レビュー
【名画再訪】完全燃焼!〜映画『プロメア』を、遅ればせながら観て燃え尽きた人間の感想レビュー〜
(by 安藤エヌ) 2019年5月に上映された『プロメア』を、2020年の4月に見た。これは罪深いことである。映画館に観に行くのがこれほどまでに似合う映画を、ほぼ1年後にテ... -
レビュー
【映画レビュー】『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』〜誰しもみな自分の物語を生きていい〜
(by こばやしななこ) ずっとずっと公開を待ち望んでいた映画が、ついに公開された。 『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』は、言わずと知れた少女文学... -
レビュー
【番組レビュー】『クィア・アイ』〜今この世界で、5人が伝えるメッセージ〜
(by 冬日さつき) 外に出ると、なにかと居心地の悪さを意識することがある。人の目を感じ、ジャッジされているよう気がする。あの子は美しい、あの子は不細工、あの子... -
レビュー
【名画再訪】『コードネームU.N.C.L.E』〜続編祈願!こんなに面白いスパイ映画ある?〜
(by 安藤エヌ) 『コードネームU.N.C.L.E』という映画がある。未見の方はえ?コードネーム?スパイ映画?アンクルっておじさん?と訝る人もいるかもしれない。何を隠そ... -
レビュー
【番組レビュー】『タイガーキング』〜最後に虎を食い物にするのは誰か〜
(by とら猫) 面白い。めっさ。 が、本作を“ドキュメンタリー”と呼ぶのには抵抗がある。実録として扱うには作為を感じさせる演出や、編集が、目につくからだ。トラビジ... -
レビュー
【名画再訪】映画『グーニーズ』を今こそ楽しもうぜ!(海賊の隠し財宝にワクワクしない人類はいないため)
(by 蛙田アメコ) 大好きな映画があって、『グーニーズ』という。 父親の借金と地上げ屋の思惑によって生まれ育った家を手放さなくてはいけない兄弟が、はみ出し者仲間... -
レビュー
【名画再訪】『百円の恋』〜心と体が連動しなきゃ生きてる意味がない!〜
自分に最も無縁な動詞は何だろうかと考えた時に、真っ先に浮かんだのは「闘う」だった。 生まれてこの方、武闘には縁がない。元ヤンキャラのバラドルが話す「嫌いな奴を... -
レビュー
【ゲームレビュー】『アンリアルライフ』〜打てば響くことで伝わるもの〜
(by とら猫) 素晴らしいゲームだった。いや作品だった。 こうした素晴らしいタイトルに触れるとき、私はいつも思う。これをゲームと呼んで良いものかと。ゲームの指し... -
レビュー
【名画再訪】『LEON』~大人を心に飼う少女マチルダと、その愛人について〜
(by 安藤エヌ) 困った。映画『LEON』についてレビューを書いてみようとしたものの、あまりに名作すぎて、中途半端な言葉でこの映画を説明したくない。何度観返しても... -
レビュー
【名画再訪】『レディ・バード』〜模範的になれない私たちの映画〜
(by こばやしななこ) 自転車を盗んだことがある。女子高生だった。 友だちと隣の県の商業施設へ行こうと電車に乗ったが、二人の手持ちでは往復の電車賃が足りなかった... -
レビュー
【この一曲】フジファブリック“赤黄色の金木犀” 〜終わってしまった残りの月〜
フジファブリックの“赤黄色の金木犀”を聴くたびに思い出す人がいる。 1歳年上の、バイト先の先輩。いい人だったけれど、いかにもきゃぴきゃぴしている感じが、地味な私... -
レビュー
【ゲームエッセイ】死角から振り返る『ファイナルファンタジーVll』と『ファイナルファンタジーX』
(by 葛西祝) 名作は時間の経過に耐えうるという。よく言われる「名作は何度見ても発見がある」という言葉は、そもそも見る自分たちが変わり、視点が変わったことが大... -
レビュー
【名画再訪】『愛の渦』~本当の自分に必要なのは、名前の要らない居場所〜
六本木のマンションの一室で行われるパーティー。そこには、ただただセックスがしたい大人たちが集う。「愛の渦」という映画の冒頭だ。常識の仮面を剥いで性に溺れる人... -
レビュー
【この一曲】the pillowsの“ハイブリッドレインボウ”と一緒に、いつか選ばれる明日を待つ
BUMP OF CHICKENが“ハイブリッドレインボウ”という曲を歌っていると知った時、「あれ?」と思った。バンプっ子の私は彼らの出したCDを全て網羅していたはずなのに、その... -
レビュー
【ゲームレビュー】『あつまれ どうぶつの森』〜いろんな人にやさしいじぶんだけの島〜
(by 冬日さつき) 幼いころ住んでいた家の押し入れに、今でもゲームがたくさんしまってあると母親が教えてくれた。かつての宝物を思い出したような気持ちになって、持... -
レビュー
【この一曲】東京事変“私生活” 〜私を前へと歩かせ続ける遠くのあなたへ〜
≪酸素と海とガソリンと/沢山の気遣いを浪費している≫このフレーズを耳にしただけで、わかる人はきっと胸をつかれる思いがするだろう。 東京事変、“私生活”。私もまた、... -
レビュー
【映画レビュー】『ジュディ 虹の彼方に』〜美しい虚構に生きた1人の少女が、晩年で見せた姿~
(by 安藤エヌ) 「その声で100万ドル稼がせてやる」 17歳で映画『オズの魔法使』のドロシー役に抜擢され、一躍大スターとなったジュディ・ガーランド。 『ジュディ&nbs... -
レビュー
【推しの一作】私を“大丈夫”にさせる小説~吉本ばなな『キッチン』&『満月 キッチン2』~
(by こばやしななこ) 生きていると、どうしようもなく辛い時期がある。 大切な存在の死、いじめ、過労、病気、プレッシャー、人間関係、罪悪感、孤独、貧乏。いろんな... -
レビュー
【この一曲】死すら歌の力に変えてしまうフレディの凄みに総毛立つ、Queen“The Show Must Go On”
(by とら猫) 一番好きなクイーンの曲を選べ、という問いは自分にとって、一番好きなビートルズの曲を選べ、という問いと同じくらい即答するのが難しい。 フレディに敬... -
レビュー
【音楽エッセイ】過去から繋がる今のQueen、歌い上げる二人のカリスマ〜Queen+Adam Lambertライブレポ~
(by 安藤エヌ) 2020年1月26日、私はさいたまスーパーアリーナにいた。 Queen+Adam Lambertのライブを目前にして、私の鼓動は興奮と期待で激しく脈打っていた。 映画... -
レビュー
【連載/だからゲームはやめられない】第19回: 1996年10月の不思議な新作で隠れた名作『マーヴェラス ~もうひとつの宝島~』
(by シェループ) 次の主力ゲーム機は、きっとこれになる。 そんな根拠なき確信から買った1996年当時の次世代機『NINTENDO64』(以下、ロクヨン)は、地獄のようなソフ... -
レビュー
【名画再訪】『アメリ』~わたしがわたしのままでいることを許してくれた映画~
(by 冬日さつき) 蛙田アメコさんが記事の中で書いていた、「『アメリ』に罪はないけれど」という一文で、わたしは中学時代のことを思い出していた。 わたしは田舎の公... -
レビュー
【仏語も学べる手塚漫画レビュー】『Vampires/バンパイヤ』(和訳付き)~変身の現実世界を描いた、手塚のキャリア転換期の一作~
(by Julien Bernard) Depuis les années 60, le manga d’horreur (kaiki manga) est en plein boum. Pour Osamu TEZUKA c’est une période noire, il est en fort... -
レビュー
【名画再訪】『アイアンマン3』コンビのオシャレ映画『キスキス,バンバン -L.A.的殺人事件』を48回観た話
(by 蛙田アメコ) ◇『アメリ』に罪はないけれど。 世の中には「オシャレ映画」というカテゴリーの映画がある。例えば『アメリ』とか。『アメリ』のコンテンツ力ったら... -
レビュー
【映画レビュー】『ジョジョ・ラビット』のヒトラーが持つ映画での役割~彼はジョジョの親友で在り続けるのか~
(by 安藤エヌ)(注:本レビューに直接的なネタバレは含まれませんが、一部物語の内容に触れています) 映画『ジョジョ・ラビット』を観た。 兎が殺せない? 年端のゆ... -
レビュー
【映画レビュー】トム・フーパー版『キャッツ』はどのていど、リアルな猫の生態を反映しているのか猫飼いが考察してみた
(by とら猫) 「不浄なポルノ」「ホラー」「FBIが乗り込んでくる」など、大喜利めいた辛辣レビューを世界中で量産している『キャッツ』を観てきたが、思ったよりも悪く...