【ドラマレビュー】思わず若返る胸キュンロマンス、Netflixドラマ『HEARTSTOPPER ハートストッパー』にハマった三十路の悶絶ダイアリー

  • URLをコピーしました!

どうも、15歳に若返った安藤エヌです。

嘘です、今年で満30歳のアラサーならぬサーの安藤エヌです。いかがお過ごしでしょうか。

なぜこんな出だしから始まるかというと、これから話す『HEARTSTOPPER ハートストッパー』という海外ドラマにハマってからというもの、生活のQOLが各段に上がり健康になったからです。肌の調子も良く、ビタミンCより『HEARTSTOPPER』、オクラやゴーヤより『HEARTSTOPPER』という感じ。夏野菜より身体に効く。栄養価の鬼。

さっきから言ってるそのハートなんたら、っていうドラマ……何?と思われている方に説明すると、本作はNetflixオリジナルで配信されているイギリス発の海外ドラマで、1シーズン全8話、約4時間ちょっとで見られるお手軽な作品です。

さっくりあらすじを話すと、男子校に通う主人公チャーリーはゲイで、互いの関係を秘密にしたがるボーイフレンドと上手くいかず、悶々とする日々を送っていました。そんな中、新学期が始まったクラスでニコラス(通称・ニック)という1つ上の学年の男子生徒と出会い、明るく優しい性格の彼と交流しているうちに恋心を抱き始めます。

「でも、彼はストレート(異性愛者)だ」

ニックは自分と同じゲイではない、と想いを隠そうとするチャーリーでしたが、ニックもそんなチャーリーと過ごし始めて次第に自分の心に変化を感じるように。どうなるふたりの関係!どうなる、ふたりのいじらしくキュートな恋模様……!

といった感じの作品なのですが、何を隠そう私は“ティーンなボーイズの初心な恋を応援し隊”隊長を自称する女。デコったうちわを両手に振りながら、「ニック!チャーリー!がんばれ!!」と正座で応援しているうちに、あれよあれよと最終話を迎え、そこで見せられたあまりにも尊いエンディングに、

波動を全身で受けたヤムチャみたいになって倒れ込みました。無理。ふたりの人生に幸あれ(遺言)。

最終話を見届けて屍となった私が次に行ったのは、Twitterのフォロワーに『HEARTSTOPPER』を布教することでした。行きつけのシアタールームをレンタルし、「お願いします、一緒に観てください(圧)」と頼みこみ鑑賞会を実施。友達と流行りのドラマを一緒に観ながらキャッキャするなんて、まるで本当にティーンに戻ったみたいじゃない……と微笑ましくなりながら1話を再生。

チャーリー選手、しょっぱなから飛ばしてくる。初対面のニックを見る目が完全に恋する目をしていて1hit。「Hi」「Hi」と挨拶を交わし、ぎこちなく微笑みを交わすふたりで2hit。1話からこんな調子じゃ先が思いやられるなと思いふと隣を見ると、

フォロワーがアルマジロみたいに丸まって萌えの衝撃に耐えてました。そっと肩に触れる私。分かるよ、分かる……。私も最初そうだったから……。

「はー……」
「はー……」
「…………2話、再生しますね」
「はい……」

もはや満身創痍の様相を呈しながら、振り絞るように2話、3話と再生する私たち。そして副題が「Kiss」の3話……そう、ふたりが初めてキスする回に差し掛かりました。

触れる指、近づく顔。逸る心臓。そして、静かに重なる唇。美しい被写界深度の中、ふたりの輪郭だけがくっきりと浮かび上がって、ひとつに溶けていく。

私たちはそんなふたりの世界を壊さないよう、一言も言葉を交わさずにその瞬間を見守りました。そしてそのまま4話へ。ニックとキスをしたチャーリーは、彼に言います。

「僕が悪かった、ごめんなさい。君は断れなかっただけ。友達でいられる?」

自分がゲイなせいで彼に気を遣わせたと言うチャーリーに、ニックは彼の名前を呼んで、まるで安心させるように力強く、再びキスをするのです――

「ちょ……っと待って」
「うん、ちょっと一時停止しましょう」
「もう無理!!!!!!かわいすぎて無理!!!!!!」

飛び跳ねたようにソファから起き上がり一時停止をした私を宥めるフォロワー。真っ赤になった顔をどうにか冷まそうと手であおぐ。そこで確信しました。この作品はひとりで観ないほうがいい、というか観られない。誰かと一緒に萌えを外に放出しながらじゃないと観られない作品だということに……。

と、こんな感じでジッタンバッタン萌え転がりながら終えた鑑賞会でしたが、すごく楽しかったです。なんと本作、正式にシーズン2&3が決定しており、配信時期は未定ながらも続編が決まっています。もう、そうと知れば観るしかないでしょう。原作コミックも絶賛発売中なので、ぜひ一緒に楽しんでもらえたら幸いです。

夏バテには『HEARTSTOPPER』。仕事疲れに『HEARTSTOPPER』。最近ときめくことがないなと思うウーマンたちに、さあ、『HEARTSTOPPER』を観るのです……と言って回りたい、ティーンもとい三十路の安藤エヌがお送りしました。

++++
(c) Netflix
『Heartstopper ハートストッパー』視聴ページ

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

安藤エヌのアバター 安藤エヌ カルチャーライター

日芸文芸学科卒のカルチャーライター。現在は主に映画のレビューやコラム、エッセイを執筆。推している洋画俳優の魅力を綴った『スクリーンで君が観たい』を連載中。
写真/映画/音楽/漫画/文芸