2020年10月

【エッセイ】半径2メートルに塩をまくように生きる

(by みくりや佐代子) 肌寒い日の信号待ち。喫茶店の入り口に大きな盛り塩を見た。お茶碗一杯くらいの。驚きのあまりじっと見入ってしまっていたようで、ちょうど店先の掃き掃除をしていた奥さんと目が合った。 「これ、おはらい用ですか?魔除けとか、そういうの?」一度気になると知らない人にも話しかけてしまう、 […]

【エッセイ】「やさしい世界」について

(by 冬日さつき) わたしはやさしい世界がすきだ、とよく話してきた。でも、実際「やさしい世界」というのは、どういうものなのだろうか。というか、そんなものは在りうるのだろうか。そもそも、やさしいというのは、どういう意味? みんなが笑っていて、争いのない世界? それでいて抑圧や怒りが存在しないこと?  […]

【映画レビュー】『ミッドナイトスワン』〜燦然とした母性という愛の形を、凪沙の静かな涙に見る~

(by 安藤エヌ) このレビューを書くために喫茶店へ向かう間、西の柔らかい斜光の中で歩く何組もの親子連れを見かけた。幼い子どもが親に手引かれ、家へと帰っていく姿を眺めながら、映画『ミッドナイトスワン』の余韻をもう一度思い起こしていた。 本作はトランスジェンダー(心と体の性が不一致である人)の凪沙と、 […]

【カルトの世界】世界で最も純粋無垢なぼかしが舞い踊る『人魚伝説』

(by とら猫) 体当たりの演技、とはよく言われるけれど、その定義を知りたい方はググったり辞書を引いたりするより、1984年公開の『人魚伝説』を観るのがてっとりばやい。 大河ドラマでデビューを飾った可憐な女優、白都真理は本作において、「体当たりの演技」という表現がぴったりどころか生易しく思えるほど、 […]

【フリーに生きる】第4回:ITコンサルタント・古藤総一郎の場合〜誠実な仕事がファンを呼ぶ〜

(by 古藤総一郎) 初めまして、現在、独立してITコンサルをやっているSoichiroと申します。 ITコンサルと言っても多くの人が想像するであろうコンサルタント然とした内容だけでなく、開発側出身のため自ら手を動かしシステム作ったり、コード書いたりもすれば、お客様になり代わり業者との折衝や社内調整 […]

【名画再訪】人はみな多大な迷惑をかけながら生きる〜『こんな夜更けにバナナかよ』

(by みくりや佐代子) 「人に迷惑をかけてはいけません」。その言葉を幼い頃から刷り込まれているから私たちは今日も無理な納期に向き合うし、自分のタスクが終わるまで退社しない。迷惑をかけないことで得られる「真面目で勤勉、責任感が強い」の評価。それらは褒め言葉であり、求められる規範だ。 一本の映画によっ […]

【映画レビュー】たぶん一番小難しくない『テネット』激推しレビュー〜激重感情ブロマンススパイ映画『テネット』をみんな見てネット!〜

(by 蛙田アメコ) ブロマンス(男性二名の間に横たわる恋愛ではない濃密な感情)はッ!!!最高ッ!!!!!! ……ふぅ。文頭から失礼いたしました、皆さん、もう『テネット』は見ましたか。私は2回見ました。なぜなら脚本が込み入っていて1回だけだとよく分からなかったからでございます。そして……激烈にヘヴィ […]

【映画エッセイ】『ラ・ラ・ランド』が是か非か論争に終止符を打ちたい~人はみなそれぞれの人生を生きている

(by 安藤エヌ)好きな映画は何?と聞かれた時、私は大抵ひとつに絞れないので、ジャンルごとに好きな映画を答えるように…

【エッセイ】締め切りに関するある疑惑

(by とら猫) 最近ひそかに疑っていることがある。 締め切りは生きているのではないか、ということだ。 だってそうだろう。それまであんなに遠くに、地理的にはハワイあたりにあった締め切りが気がつくと大島沖まで迫っていて、あれよあれよという間にみなとみらいに上陸してゴジラのごとく暴れ回って、こちらは髪を […]