【映画エッセイ】顔が最高に良い推し洋画俳優、ティモシー・シャラメの話していいですか?

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(by 安藤エヌ

顔が良すぎて何も言えねえ。

――といいたいところなのだが、このまま筆を放り投げてしまうとせっかくの機会に彼の魅力を自ら伝えることが出来なくなってしまうので、崖っぷちで岩をも掴むくらいの握力で筆を握り、語気強めに書いていこうと思う。

『君の名前で僕を呼んで』で主演を務めて以来、爆速的に人気急上昇、海外だけでなく日本でもその甘いフェイスと確かな演技力でファンの心臓を掴んで離さない俳優、ティモシー・シャラメについてだ。

私とティモシーの出逢いは、多くの人がそうであると思うが先に挙げた『君の名前で僕を呼んで』だった。好みそうな映画だったので特に事前知識を仕入れず観たところ、画面の中で常に美のオーラ(というか具合が悪くなりそうなほどに強い圧)を放っている主役のティモシーに釘付けになり、「一体なんなのこの子!」となったのもつかの間、いつの間にかティモシー沼に全身が漬かっていた。

一撃必殺、恐ろしい俳優である。ただひとつの変わらない吸引力。ちなみに同じ作品でアーミー・ハマー沼にも落ちた(コードネームU.N.C.L.Eの彼は最高)。

彼の魅力はとても一言では言い表せない、さながら駅直結の複合型デパートのようであるが、なんといっても目を引くのはその美貌!He is so beautifulという英語の教科書構文のような語彙の消失を招く美しさなのである。

とりあえず、ご存知ない方はgoogleで検索してみていただきたい。画像ページがいきなりルーヴル美術館になる。ミケランジェロの彫刻を彷彿とさせる彫りの深い顔立ち、萩尾望都か?といわんばかりの睫毛の長さ、人の子なのかすら怪しくなってくる美にあてられて、長時間見ているとこの世の真理について考え出してしまうほど。

そんなティモシー沼に落ち、私は彼の出演している映画を片っ端から観ていった。そして彼の魅力について深く深く考えるようになったのである。

どうしてこんなに何処かに消えちゃいそうなの……?

彼の魅力は数多あれど、最後にはここに収束する。美貌も、演技も、あまりに冬の陽向に消えていってしまいそうな――あるいは夏の短い夜に、窓から飛び降りて二度と戻ってきてくれなさそうな感じがする。知ってる、そういうの、みんな好き。

その証拠に彼の出演する映画は「忘れられない……」とか「一瞬の……」とかいうキャッチフレーズがよく付けられる。

だって、ティモシーだもん。ティモシーだから。

彼が物語の主人公になると、途端に透明度と刹那性が増してしまう……そんなの罪深すぎる。罪の塊、原罪のような男、ティモシー……

そんな印象もあってか、彼はしばしば陽の当たる場所からダークサイドに堕ちていく青年役に抜擢される。『ホット・サマー・ナイツ』『Beautiful Boy』では共に薬物に手を染める(前者は薬物売買に関わる)役を演じた。

こんなにキマってる目が似合っちゃう男の子がいてたまるか!!!!!

思わず膝を叩く。ラリっても美しい、苦しんでいても美しい。むしろ私はこういうシャラメが大好きだ。どんどん苦しんで欲しいとすら思ってしまう。

先日観に行った『マイ・ビューティフル・デイズ』、ティモシーの役柄は学校の先生に恋してしまう行動障害持ちの生徒というもの。

最近の私のはしゃぎようを見て受動喫煙のごとくティモシーに興味を持った母親と観に行ったのだが、そんな母が鑑賞後、噛みしめるように一言。

「ティモシーかわいかった……」

母の背中をバシバシと叩きながら、無言の頷きをする私。この映画、ティモシーは完全にマダムキラーと化していた。年上の心を揺さぶり、くすぐり、キュンとさせてしまうシャラメが詰まっていて、先生の部屋に入って落ち込む彼女を励ますシーンから、彼女に部屋に戻りなさいと諭された時にはこんな台詞が……

「どうして追い出すの?」

追い出しません(私が先生なら

絆されない先生、その鋼の耐久力を尊敬してしまうほどシャラメの全力甘え攻撃にへなへなと膝から崩れ落ち、その場からなかなか動けなかった先日の出来事であった。

母は今もシャラメにメロメロである。

現在はNetflixにて配信されている『キング』に出演しているシャラメだが、なんでもこの作品では従来のイメージを覆すような強い役柄を演じているそう。剣さばきの唸るアクションもあり、見応えある作品だそうだ。

早く観なければ……と思いつつ、リメイク版『若草物語』などの公開も控え、これからもティモシーを映画館で観て、推していける幸せを感じている。彼は間違いなく、その存在感でこれからも沢山の作品に関わり、称賛されていくことだろう。

ティモシー・シャラメ、それはひとすじの光。儚く美しい光……

(推しがきれいで今日も幸せ

++++
(C)Frenesy, La Cinefacture (c)2018 AMAZON CONTENT SERVICES LLC.

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この記事を書いた人

安藤エヌのアバター 安藤エヌ カルチャーライター

日芸文芸学科卒のカルチャーライター。現在は主に映画のレビューやコラム、エッセイを執筆。推している洋画俳優の魅力を綴った『スクリーンで君が観たい』を連載中。
写真/映画/音楽/漫画/文芸