【連載/スローな落語家と暮らしてる】第9話: スローでいるのも楽じゃない

落語
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(by 蛙田アメコ

前回、前向きな別居を始めた我が家のことをお伝えしたこの連載。さらに新たな事実が発覚して……!?

◼️別居後に発覚した「とんでもない事実」
落語家って食べていけるの? そんな疑問に、過去の記事ではこう答えた。
「お金はないけれど、頂き物のご飯が多いので食べるのには困らないです。食べるのには」
そのときの我が家は、ある重大な事実に気づいていなかったのである。そう、……【配偶者がスローすぎて毎月のマイナス収支に気づいていない】という事実に!

◼️落語家、毎月赤字決済だったことが発覚!
結婚以来、毎月の収支はざっくりいうと、

配偶者(落語家):4万円〜6万円を食費・雑費として家庭に納入
筆者(兼業作家):家賃・光熱費その他の出費を負担

という生活設計をしてまいりました。
しかし、生命保険加入などにより配偶者の支払いは圧迫。配偶者は自営業ゆえに交通費も自費で前払い・社会保険とかも給与天引きではない……なんと、生活費を支払うことでほぼ毎月赤字になっていたのだそうです! うわ、やっべー! さらには結婚当初に200万円ほどあった貯金が、いまやほとんどなくなっているのだそうです! た、た、た、大変だー!! これはやばいぞー!!!

◼️昇進するのにもお金がかかる
いや、やばいぞ。
というのも、落語家さんは「昇進」するときにたくさんのお金がかかるのです。配偶者でいうと、今の身分である「二つ目(自由に修行していいお弟子さん)」から「真打(一人前、弟子もとれる)」になるときに、記念の手ぬぐいや披露パーティを開くのに100万円くらいかかるんだそう。最低でも、100万円です。配偶者曰く「それくらいも貯められないなら食っていけないよってことだと思う」とのことですが、当の配偶者はあと5年くらいでそれを貯め直さなくてはいけません。やっべーーー!!!

◼️喧嘩の原因
別居に至るまでたくさん大喧嘩しました。本をたくさん買いたい筆者、物を増やしたくない配偶者、家事が苦手な筆者、子供が欲しい配偶者……時間を割いて、色々な価値観を擦り合わせました(結婚生活って本当にめんどくせーですね)。

そのなかで浮上した、配偶者からの一つの質問。

Q、「もし僕が無収入になったらどうする?」
A、「え、家事労働をおもにやってほしいかな……」(モラハラだー!!)

無収入どころかマイナス収支の配偶者。無理して4万〜6万円の生活費を入れてくれていたにも関わらず、家事の大部分をやっている状況が腑に落ちていなかったようです。そして筆者サイドとしては、出費の大部分が自分なので家事とかで助けて欲しいぜ……という気持ちもありました。噛み合ってねー。そういうわけで結論として、

・配偶者は実家と家を往復する生活を継続
・配偶者が家事をやってくれることに(感謝、圧倒的感謝!)
・月に1回は外食とか二人で家のことをするとかしつつ話し合いの時間を改めて持つ

ということが決まりました。それ以降、お弁当を作ってくれるようになったので、毎朝起きるのが楽しみになった筆者であります。

原稿頑張る日に作ってくれたお弁当。卵焼きが美しい。

いやあ、スローでいるのも楽じゃないな。

落語

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この記事を書いた人

蛙田アメコのアバター 蛙田アメコ ライトノベル作家

小説書きです。蛙が好き。落語も好き。食べることや映画も好き。最新ラノベ『突然パパになった最強ドラゴンの子育て日記〜かわいい娘、ほのぼのと人間界最強に育つ~』3巻まで発売中。既刊作のコミカライズ海外版も多数あり。アプリ『千銃士:Rhodoknight』メインシナリオ担当。個人リンク:  小説家になろう/Twitter/pixivFANBOX