【ゲームレビュー】翻訳もキレキレのアニマル系忍者アクション『ニンジン:クラッシュ・オブ・キャロット』

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(by シェループ

気が付けば、「BadCats Weekly」には猫を題材にしたゲームのレビューが三本掲載されている。

島のあちこちに隠れた猫を探し出し、毛糸球を集めるクリックゲーム『Hidden Paws Mystery』。空飛ぶ猫とゆるキャラ10000匹の壮絶な空中戦を描くシューティングゲーム『ネコネイビー』。大学を中退した雌猫を主役に据えたアドベンチャーゲーム『ナイト・イン・ザ・ウッズ』。

この状況を見て思った。そろそろ犬の出番だ。

ということで、『ニンジン:クラッシュ・オブ・キャロット』である。

いや、ウサギやん。
相方キツネじゃん。

否ッ!

本作は純然たる犬のゲームだ。

お店の店員があざとかわいいコーギーなのだ!
なお、彼とは敵の策略で便所に閉じ込められた状態で巡り逢う。

救出方法は便所の物理的破壊である。バッチい言うな。
そもそも、直接的な表現はないから安心するんだ。想像力を働かせるな。

本作は彼の犬から様々な武器などを買い、それを駆使して人参こと「きゃろっと」を強奪した、もぐらの「モー将軍」率いる軍勢を追撃する、ハイスピードニンジャ疾走アクションゲーム。やることはシンプルに「Wave」ごとに現れる敵を斬り捨て御免し、手裏剣投げたり、マキビシばら撒いてランナーズハイである。

ウサギの「ニンジン」、キツネの「アカイ」、タヌキの「ミドリ」……は残念ながらおらず(なんてことだ!天ぷら美味いのに!)、どちらか二人を選んでゲームを進める。キャラクターに「ニンジン」と付けているために、本物の人参は「きゃろっと」呼ばわりだ。ちなみに通貨である。敵を倒せばガッポガッポ手に入る。

もちろん、それを支払って件の彼から武器やらなんやらを買う。
他にステージ中、敵が落とす宝箱からも手に入る。

実に100種類あり、通常のカタナのほか、バナナ、サボテン、イカリ、定規、何かの触手と言ったツッコミどころ満載なものが多数出てくる。中には頑丈な靴で踏んでも倒せないパッ○ンフラワー、触れれば数年経過してタイツを履いたイケメンになるマ○ターソードと言った、京都の老舗が緊急出動しかねないものも。大丈夫なのかよ。

それらを手にして、多勢で襲い来る虚無僧を始めとする敵の軍勢をしばき倒す快感は格別。武器次第で難易度も上下するので、組み合わせによっては一方的な斬り倒しが繰り広げられる。ステージも25以上、無限に遊べるローグなライクなものまで用意されていて、ボリューム大きめ。

元はブラジル生まれのゲームで、2019年4月25日に日本語版がNintendo Switch、PlayStation 4で発売された。テキストの翻訳具合もキレキレで、日本で作られたゲームと錯覚する愉快な台詞が雪崩の如く飛び出す。

▲ステージにも愉快な名前が………ん?

難易度は非常に高く、特に後半は操作に制限がかかったり、弾幕が展開されたりなど、ストレスの溜まる所が多くある。ただ、難易度を低下させるアクセサリーがあるので、それを装備すれば力押しで楽しめる。むしろ、最初はそのスタイルで遊ぶのがおすすめだ。

正直、粗削りな出来だが、一口に悪いと言い切れない魅力を持つ。ややコツはいるが、カタナで敵を倒しまくる快感は格別、ストーリーも楽しい野心作。犬好きはもちろん、ウサギとキツネが好きな人にも推せる一本だ。

え?『ファークライ ニュードーン』も犬のゲームだろ?

そう言えばそうでした……。

※なお、敵をしばき倒すゲームながら、柴犬は出てこない。あしからず。

++++
© 2018 Pocket Trap. All rights reserved. Published in Japan and Asia by Arc System Works.
『ニンジン:クラッシュ・オブ・キャロット 』公式サイト

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この記事を書いた人

新旧のゲームを遊びまくる人。ひよっこライター。もぐらゲームスなどゲーム系メディアへ寄稿中。

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