【連載/スローな落語家と暮らしてる】第7話: 落語家の仕事は二月がやばい

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■今年も2月がやってきた■
やばい!!
――我が家に一緒に暮らしている配偶者は、職業が落語家だ。座布団のうえに座って喋る、例の落語家である。年間を通して、なんとなく暇そうで、なんとなく忙しそう。それが落語家だ。しかし、やばい。やってきたのは、2月である。2月という季節は我が家にとって――修羅場である。というのも、私の職業がいわゆる「受験産業」なのだ。1月末から2月といえば、中高大受験のトップシーズン。おおむね17時間勤務の日とか11連勤とかが出てきてしまい、普段の長閑な暮らしぶりが一変する。とにかく生存を優先するため我が家に(主に配偶者を中心に)漂う「スロー」な生活が一変するのです……ってあれ?

そもそも我が家の落語家は、いったいどこで仕事をしているの?
今回は、落語家の「仕事場と報酬」についてお知らせします。

■落語家の仕事場~寄席~■
配偶者が落語家です、という話題が出ると6割程度の確率で、こう言われます。

「今日はどの寄席に出ているの?」

と。そうです、【配偶者が落語家=職場が寄席】という想定があるようなのです。
では実際はというと……寄席の出演は決して多くありません。
東京の落語界だけでも数百人の落語家さんがいるのですが、いわゆる「寄席」のなかでも毎日興行が打たれている「定席」は以下のとおり。

・浅草演芸ホール
・新宿末広亭
・池袋演芸場
・上野鈴本演芸場

の4つだけ。
配偶者が所属している落語芸術協会が出演するのは、そのうちの「浅草演芸ホール」「新宿末広亭」「池袋演芸場」のみだ。最後に書いた「上野鈴本演芸場」については落語協会という別組織だけが出演することになっている。寄席には落語だけではなく、講談や漫談、色物と呼ばれるマジックや漫才などなどの先生達も出演する。そうなってくると、おそらく同日に寄席に出演できる落語家は東京全体の3割程度ではないでしょうか。

■落語家の仕事場~わきの仕事~■
そういうわけで、【落語家の仕事場=寄席】という図式は成り立たないのであります。他にもあるぞ、落語家の仕事場!
たとえば、ここ最近のお仕事先だと、

・お寺
・BAR
・居酒屋
・区民ホール
・商工会議所
・老人ホーム
・温泉宿

などがあるみたい。こういうのBARで落語というのはちょっと意外ですが、最近すこし流行しているみたいです。知り合いの落語家さんの中にはなんと「メイド喫茶」で落語会をしている方も!!

■落語家の労働時間■
寄席の持ち時間はだいたい15分程度、前後の入り時間を含めると実働1時間でございます。
1日に数件のお仕事が集中する日もあるので、移動時間の方が実働時間よりも長い……なんていうこともザラにあるとか。スローなやつだと思っていたけれど、この記事のために取材してみたらそれなりに忙しい日も多いみたい。

お互い朝から晩まで働いて、2月はとても頑張りました。

■落語家の報酬■
では、その場合の落語家の報酬は……というと、非常にまちまち。
ときには金銭だけではなくて食べ物でお支払いいただくこともあります。食べるには全く困りません。
毎年2月にいただいている「節分の豆まきのお手伝い」ではありがいことに沢山のお弁当やお菓子や食品類をいただいています。
ちょっと今年いただいたラインナップをご覧いただきますね。

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食べきれない!!!!!!!!!!!(困惑)

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この記事を書いた人

蛙田アメコのアバター 蛙田アメコ ライトノベル作家

小説書きです。蛙が好き。落語も好き。食べることや映画も好き。最新ラノベ『突然パパになった最強ドラゴンの子育て日記〜かわいい娘、ほのぼのと人間界最強に育つ~』3巻まで発売中。既刊作のコミカライズ海外版も多数あり。アプリ『千銃士:Rhodoknight』メインシナリオ担当。個人リンク:  小説家になろう/Twitter/pixivFANBOX