2019年

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【映画エッセイ】私は松浦美奈さんに会うために『死霊の盆踊り』を観にいった

(by とら猫) 映画好きってやつは一年の最後にどの作品を観ようか、にやにやしながら思いを巡らせるものだ。いわゆるところの“映画納め”。私なんかもそうで、毎年師走の封切りラインナップを眺めながら理想的な映画イヤーの幕引きを考える。楽しい。 で、私の令和元年を締めくくった映画は何か。『死霊の盆踊り』で […]

【名画再訪】『タイタニック』に見る、“死”を前にした乗客の人間ドラマ~私たちはその一人になる~

(by 安藤エヌ) 人生のうちでベスト5に入る映画は?と訊かれたら、私は『タイタニック』をその中に挙げる。いつまでも永遠に私の心の中に残り続ける、切なくも痛ましい、忘れ得ぬ記憶として心臓に刻みつけられる名作だ。 人生で大切な映画というのは、初見から二度目、三度目と時間を空けて観るのが望ましい。その折 […]

【エッセイ】生きづらい私が冬が好きな、たったひとつの理由。

(by 蛙田アメコ) 冬が好きだ。 無邪気にそう言えるのは、雪と無縁の地域で生まれ育った人間であるという証左だそうだ。重く閉ざされた雪に、春になれば消え去る雪「ごとき」に生活を脅かされる日々を想像すると、なるほどそうだと納得する。雪国の冬は好きとか嫌いとかじゃなくて、季節という名の定例災害の一種なの […]

【映画エッセイ】ディズニーの奴隷になって楽しむ『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』

(by とら猫) 『スター・ウォーズ』が完結した。ジョージ・ルーカスが四十二年前に生み出した壮大なスペースオペラが今、令和元年のこの年についに(ひとまず)幕を閉じたのである。 旧三部作の興奮をリアルタイムで体験していないせいか、わたしなんかは筋金入りの『スター・ウォーズ』マニアというわけではない。そ […]

【推しの一作】『ハリー・ポッター』と裕美の部屋

(by 須藤裕美) ハリー・ポッターシリーズ(以下:ハリポタ)を読むためには、二週間は外界から完全にシャットアウトして家に引きこもる必要がある。なぜならあのすばらしい世界に浸るためには、それぐらいの準備と覚悟がいるからだ。本書を読んでいる間、わずらわしい仕事や交友関係などに邪魔されたくないわけだ。ス […]

【名画再訪】~考えるのをやめないこと~『ちいさな哲学者たち』

(by 冬日さつき) 「何があなたを生かして、何があなたを滅ぼすか」という問いに、「疑問を持つこと」と答えたことがある。小さなころから常にわたしの頭の中には疑問があふれていて、いつでも考えることをやめようとしなかった。いつか大人になったら、すべてのことを知れるようになるのだと信じていた。 どちらかと […]

【マンガレビュー】“好きなことで一番になりたい”という地獄『ブルーピリオド』

(by 満島エリオ) “こんなに好きなのに、こんなに頑張ってるのに、どうして報われないんだ” 本気で何かを目指したことがある人で、こう思ったことがない人はいないんじゃないだろうか。好きなことで一番になる。なんて素敵な言葉だろう。でもそれは、終わりなき地獄の旅でもある。『ブルーピリオド』は、美術の世界 […]

【名画再訪】『プリシラ』~11歳の私を支えたドラァグクイーン~

(by こばやしななこ) 人に映画が好きだと話すと、よく「一番好きな映画は?」と尋ねられる。 私はその時、ほとんど本当のことを言わない。だって個人的な思いが強すぎる映画を答えたって、盛り上がらないじゃん。だから一番好きな映画のことは、一部の親しい人たちにしか話してきてない。 本当に一番好きなのは19 […]

【映画レビュー】『シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション』はフランスから届いた胸アツの逆輸入品だ

(by シェループ) 「まいりました……!」 以上、全編観終えて間もなく出た一言。なんてこった。ほんまもんのシティーハンターだった。それも、フランス流ブラックジョークなるスパイスを足した快作だ。 海外で実写版が作られているらしい、との話は小耳に挟む程度に聞いていた。けど、全貌を知ったのは『新宿プライ […]

【連載/LIFE-】第5回: POPEYEの村上春樹

(by 葛西祝) 雑誌でよくPOPEYEを読む。去年からおや、と感じたのは、村上春樹のエッセイが始まったことだ。はじめはすこし驚いたが、毎回読むうちに昔から書かれていたみたいに思えていった。毎回持っているTシャツについて書いていて、そのスムーズなテキストが、POPEYEのコンセプトへきれいに収まって […]

【映画レビュー】限界オタクにこそ観てほしい『アナと雪の女王2』

(by 安藤エヌ) こんにちは、鬼滅の刃読んでますか?安藤エヌです。 私は映画について硬めの文体でレビューを書く時もありますが、本体はかなり限界を迎えたオタクです。しんどいマンガやアニメが大好き。限界を迎えた……というのは端的にいうと ・作品が好きすぎてしんどい・キャラが愛おしすぎてしんどい・つらい […]

【旅行エッセイ】蛙田アメコの土佐日記(後編)~旅の効能~

(by 蛙田アメコ)(前編からの続き) (2)「帰京」旅というのははじまった瞬間から、終わりに向けて動き出す。なんのプランも旅程もない、真っ白なノートを埋めるような旅程は終わってみればあっという間だったけれど、iPhoneに残ったたくさんの写真が楽しかった思い出を呼び起こしてくれる。 ◇空港の観光案 […]

【旅行エッセイ】蛙田アメコの土佐日記(前編)~そうだ、高知に行こう~

(by 蛙田アメコ) (1) 門出 高知旅行に行ってきた。 旧国名で高知は土佐である。文章書きが土佐に行ったので、自動的にこの手記のタイトルは土佐日記となる。そして、土佐日記の一番初めは、「門出」というサブタイトルになる。これらは、我が国の文学がはじまった当初から決まっていることなので仕方がない。な […]

【仏語も学べる手塚漫画レビュー】『Debout l’humanité!/人間ども集まれ!』(和訳付き)~社会における性のあり方に疑問を投げかける一作~

(by Julien Bernard) « Pourquoi l’homme passe-t-il sans cesse de la paix à la guerre ? La paix est-elle faite pour la guerre ? La guerre est-elle […]

【アニメレビュー】『少女終末旅行』の描く、終わるまでは終わらない旅

(by 満島エリオ) “終わるまでは終わらないよ”アニメ『少女終末旅行』のエンディングテーマは、こんなセリフから始まる。黒髪黒目、冷静で横暴で、実は怖がりなチト。金髪碧眼、食いしん坊で動物的、時々やらかすユーリ。二人の少女がケッテンクラート(前輪がタイヤで後ろがキャタピラに荷台が乗っかってる乗り物) […]

【映画エッセイ】顔が最高に良い推し洋画俳優、ティモシー・シャラメの話していいですか?

(by 安藤エヌ) 顔が良すぎて何も言えねえ。 ――といいたいところなのだが、このまま筆を放り投げてしまうとせっかくの機会に彼の魅力を自ら伝えることが出来なくなってしまうので、崖っぷちで岩をも掴むくらいの握力で筆を握り、語気強めに書いていこうと思う。 『君の名前で僕を呼んで』で主演を務めて以来、爆速 […]

【映画エッセイ】おっさんだって楽しく『天気の子』を観たいんだ

(by とら猫) 人はいつからおっさんになるのだろう。 『天気の子』の中で「もう大人になれよ」という台詞を聞いたとき、そんなことを思った。 大人になるタイミングは分かりやすい。遅くとも成人に達したときだ。もちろんそれは便宜上の分類でしかなく、その日からいきなり成熟した精神性を発揮できるわけではないが […]

【猫エッセイ】犬でなく、鳥でも蛇でも虫でもなく、猫だった

(by こばやしななこ) 「猫はかわいくて虫は苦手なのは差別?」と悩んだ。生き物を選別し、かわいがったり嫌ったりするのはいかがなものか。でもどうしたって猫は特別。他と平等には語れない。自分だけじゃないのだと安心するために、猫贔屓な作家たちが書いた猫に関する本をたくさん読んだ。 本を読み漁るにつけ、思 […]

【エッセイ】日々のデッサン

(by 冬日さつき) わたしがいつまでもいろんなことを覚えているのは、いつも反芻を繰り返しているからだと思う。だから、記憶力が良いだとか、そういうのとはまたちがう。ほかの人の頭がどうなっているかわからないけれど、自分の頭の中はいつもさわがしい。思い出したり考えたり、絶えずイメージを含んだ言葉が行き交 […]

【映画レビュー】『ジョーカー』が見せる、エンタメとリアルの危ういバランス

(by とら猫) 『ジョーカー』における最大のタブー、そしてチャレンジは、本来薄暗い部屋でひっそり嗜まれるような主題を、純正のエンタメという形でマスに届けたことではないか。 そう考えると、賛否が巻き起こっているのも頷ける。『ジョーカー』は仲間に遊ぼうぜと誘われて行ったら、陰惨な弱い者いじめを延々見せ […]

【ゲームエッセイ】~私の『ドラゴンクエスト5』における物語とは~

(by 須藤裕美) 言わずと知れた名作である『ドラゴンクエスト5』(以下、DQ5)をスーパーファミコンで初めてプレイしたのは、小学校5~6年生のときだったと思う。モンスターを仲間にできるということで、子供時代を飛ばすように乗り越え、青年期に入ったことをいまでもよく覚えている。初めて仲間にしたのはスラ […]

【エッセイ】ヒカキンという光

(by 矢御あやせ) 再生ボタンを押すと、キャッチーなオープニングアニメーションが流れ、少し明るい髪色の眼鏡の青年が「ブンブンハローYouTube」と独特の挨拶をする。 彼の名はヒカキン。今、日本で最も有名なYouTuberだ。 私たちは、彼と「なんとなく」出合い、彼を見ていると「なんとなく」幸せに […]

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