【ゲームレビュー】猫を操作して敵と戦うシューティング『ネコネイビー』

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(by シェループ

レーザー、バルカン砲などの飛び道具を用い、襲い来る敵を撃ち落とす。そんな単純で分かりやすい遊びを主としたシューティングゲームは基本的に宇宙船、戦闘機などの”空を飛ぶもの”を操縦し、遊ぶものが大半を締める。本ジャンルの象徴的存在に当たる縦横強制スクロール型、固定画面型においては特にその傾向が強い。

しかし、中には魔法少女、天界の住人のような人間を操作し、戦う作品もある。
タコ、ペンギン、ドラゴンなど、人外の動物を操作するものも少なくはない。

もちろん、猫を操作して敵と戦うシューティングゲームだってある。
その名も『ネコネイビー』。

静かな深夜の暗闇の空を飛び交う猫達がいた。
そこに襲い来る、推計10000匹で構成されたゆるキャラ軍団。
そして始まる、怒涛の空中戦。
戦いの果てに猫達は何を得るのか。

どこもかしこもツッコミどころしかないストーリーの本作の内容は至極単純。
空飛ぶ猫を操作し、数の暴力で攻め来るゆるキャラどもを消し炭にしていくだけだ。

プレイヤーのできることも猫の移動、通常攻撃の「ショット」、広範囲攻撃の「ボンバー」とごく僅か。複雑な要素、ルールは皆無で、「弾を撃って敵を倒す」と「敵の攻撃を避ける」の基本動作だけで遊べるお手軽設計だ。

そんなハードルの低さが最大の特色。シューティングゲームは数あるジャンルの中でも最古参の存在で、国内外を問わず、人々がゲームを遊び始めるきっかけとなった存在とされる。その原動力になったのが分かりやすく、人を選ばないルールだ。

本作は見た目、ストーリー共にツッコミどころばかりだが、シューティングゲームの最も良い部分を厳守することが徹底されていて、老若男女気兼ねなく遊べる作りになっている。

難易度も気持ちゆるめ。特に広範囲攻撃の「ボンバー」が強力で、敵の弾を消せるほか、自機を一定時間無敵状態にできる。連発こそできないが、回数制限はなし。敵を倒すとバラ撒かれる「ネコアイテム」なる青いアイテムを一定数集める、ショット攻撃を強化する「パワーアップアイテム」を取れば再装填され、すぐに”ドカン”と撃てる。

「ボンバー」で敵を倒したり、敵の弾を消せば「ネコアイテム」が高得点を獲得できるアイテムへ変化。積極的に使ってアイテムも取っていけば、自機の残り数(残機)もどんどん増えていくので、気負わず攻め込んでもいける。

後半になると弾の回避、「ボンバー」の適切なタイミングでの使用が求められるので、終始、楽々な訳ではないが、優しくなりすぎず、難しくなりすぎずの調整具合は絶妙。確かな手応えと満足感が得られるバランスを実現している。

もちろん、高みを目指したいプレイヤーに応える高難易度も用意。最高の「DEATH」は文字通りの難しさで、腕のあるプレイヤーも悲鳴をあげてしまうこと間違いなしだ。

選べる猫も三種類+αいて、いずれも「ボンバー」の効果が異なるなどの個性付けが図られている。何より、カワイイ。ゆるキャラ軍団も敵とは思えないほどカワイイ。

変なのもいるけど。

本作は2017年6月15日、PC(Windows)用ゲームとして「Steam」、「DLsite.com」、「BOOTH」で発売された。2018年12月13日には『デイドリーム・エディション』なるNintendo Switch版が登場。PC版には無かった持久戦の「∞モード」が追加されたほか、最高難易度の「DEATH」が再調整され、より難しくなっている。

携帯モードで、いつでもどこでも遊べるようになったのも大きな魅力だ。

ゆるい見た目とは裏腹なシューティングゲームとしての確かな手応え、取っ付きやすいシステム、絶妙な難易度を持ち味とした本作。最近、シューティングゲームはご無沙汰している、というブランクのある人、初心者も楽しめる作品に仕上がっているので、興味があればぜひ、遊んでみていただきたい。
爆発演出も効果音共々、大変凝っているので、爽快感をお求めの方にもお薦めだ。

空飛ぶ猫達と白昼夢な世界でゆるキャラ達と戦おう。

「……って、ナマズじゃねえか!」…ですと?
ナマズは英語で「Catfish」です。
猫なんです!

「なりすましやんけ!」という異論は認めます!

※ちなみに本作を制作した「デスモフモフ」公式サイトでは、難易度ハードに限り、最後まで遊べるPC向け無料体験版『コネコベイビー』が配布されています。どんなゲームか確かめたい場合はこちらをどうぞ。

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©2018 Fruitbat Factory, Ltd. and DeathMofuMofu.

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この記事を書いた人

新旧のゲームを遊びまくる人。ひよっこライター。もぐらゲームスなどゲーム系メディアへ寄稿中。

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