~一つの勘違いから長き付き合いへ~『ロックマン3 Dr.ワイリーの最期!?』の思い出~

2017年12月17日。大阪に拠点を構えるゲーム会社「カプコン」の看板タイトル『ロックマン』が30歳の誕生日を迎えた。ファミコンことファミリーコンピュータ用ソフトとして産声をあげたロックマンはその後、多くの続編、派生作が作られ、一躍、人気シリーズの仲間入りを果たした。その数は現時点で50以上にも及び、作品と時代ごとに容姿の異なるロックマンが生まれている。

筆者は1990年代にロックマンの世界に足を踏み入れた人間なので、ロックマンと言えば初代(通称:無印、本家)、『ロックマンX(エックス)』となる。

初めてのロックマンは1990年に発売された『ロックマン3 Dr.ワイリーの最期!?』。最も思い入れのあるロックマンは、と聞かれれば、本作と『ロックマンX2』の二つを挙げる。

何故、私は本作からロックマンの世界に足を踏み入れたのか。
一言で言ってしまうと、事故だった。
そもそも、ロックマンに興味なんてなかった。当時、強い興味を持っていたのは、マンはマンでも『ボンバーマン』。その二作目『ボンバーマンII』を楽しみ尽くした私は、三作目が欲しい気持ちが高まり、親にねだってそれを買ってもらうことになった。

インターネットが無く、ゲーム雑誌の存在すら知らなかった当時の私にとって、情報を仕入れる場は玩具屋だけだった。そのショーケースで「3」と描かれたゲームを見つけた。アルファベットも英語の読み方も知らなかった私は、「MAN」の部分は同じ、ヘルメットを被った主人公という共通点からボンバーマンの三作目と思い込み、即座に「これください!」と店員に伝え、ゲームを手にした。そして帰路、車の中でパッケージの箱を開けて説明書、カートリッジを取り出し、裏表紙も見た。そこで知ったのだった。自分が買ったものがロックマンという別のゲームだったことを。

アルファベットと英語が読めるようになった今なら、まず起こり得ないことだ。
ただ、この初期のシリーズはタイトルロゴにルビ(読み)が振られてない。
正しい読みは裏表紙か、説明書を見なければ分からず、どういう訳か以降のシリーズもそれが続いた。派生作はルビを振ったり、片仮名表記になっているのに、だ。

そして、パッケージを開けてしまったが為に返品は効かず、買ってくれた親からも「ちゃんとやれ!」と叱られ、私は本作を遊ぶこと強いられた。
それがロックマンのファーストコンタクト。まさに事故だったのだ。後にも先にも、こんなに酷い出会い方をしたゲームは本作ぐらい。最悪な巡り合わせだった。

しかし、『スーパーマリオブラザーズ』のようなゲームをもっと遊びたいとも思っていた私にとって、本作はドンピシャだった。更に遊んでいる同級生が周囲に多く、彼らと情報交換を行いながら攻略の醍醐味を知れた。そして、気が付けば20数年以上もシリーズを追い付続けている。遊ぶ気のなかったゲームが今や好きで好きで仕方がない作品の一つに。
こんなの誰が予想できたか。本当に不思議な巡り合わせだったと思っている。

そして今、改めて本作を遊んでみると、非常にボリュームの大きな作品だったことが分かる。
シリーズは基本的に八体のボスが居て、その全てをクリアすると最終ステージが解禁。黒幕との戦いに勝利すればエンディングになる。

本作もその構成を踏襲しているが、「ドクロボット」と呼ばれる前作『ロックマン2 Dr.ワイリーの謎』の八体ボスのデータを取り入れた量産型と戦うステージが四つ、事前に挟まれるようになった。更に各ステージには二体のボスが登場。それらを全て終えた後にもイベントのボス戦が挟まれ、満を持して解禁される最終ステージも五つ以上に渡り、それぞれの最後にボスが待ち受ける。数を数えれば18体以上。後のシリーズから見ても、ここまでボスが登場するロックマンは本作ぐらいだ。

狭い通路を潜り抜ける「スライディング」、犬型サポートロボット「ラッシュ」が登場したのも本作である。礎を作った点ではよく、前作が持ち上げられるこのシリーズだが、本作もまたその種の作品の一つと言える。

現在もバーチャルコンソール、ゲームアーカイブズと言った配信サービスで本作は販売されているほか、現行機向け移植作『ロックマンクラシックスコレクション』で遊ぶことができる。当時と違い、現在販売されているものは途中経過を簡単に記録(セーブ)できるので、プレイのハードルもグッと下がっている。

間もなく発売されるシリーズ最新作『ロックマン11 運命の歯車!!』。
その前にシリーズを振り返りたいのなら、是非とも遊んでみて頂きたい名作だ。

ちなみに余談ながら、新作にはちゃんとルビが振られている。
クラシックスコレクション二作も振られている。なんともはや。

また、ボンバーマンに「III」は存在しない。あしからず。
(※III(3)を冠したボンバーマン自体はあるが、ファミコンにはありません。)

(c) CAPCOM CO., LTD.

シェループ

新旧のゲームを遊びまくる人。ひよっこライター。
連載エッセイ:だからゲームはやめられない
ゲーム/アニメ/映画